コラム

交流戦がなくても…? セ・パで史上初の珍事は起きるか

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巨人・原辰徳監督 (C) Kyodo News

折り返しを過ぎた2020年


 9月戦線に突入したプロ野球・2020年シーズン。短縮シーズンも折り返し地点を過ぎた。


 8日、セ・リーグでは首位の巨人が中日を2-0で下して貯金を「19」に増やしたなか、2位を争うDeNAと阪神は7-7の引き分け。ともに巨人との差が広がる“痛み分け”という結果になった。

 一方、パ・リーグでは5位の西武が最下位・オリックスに2-0で勝利。西武は9月に入って5勝2敗と好調を維持しており、最大で「8」あった借金を「3」まで減らしている。

 現時点(※9月8日現在)での順位は以下の通り。


▼ セ・リーグ順位表
1位 巨人(41勝22敗3分)
2位 DeNA(33勝31敗5分)=首位との差:8.5
3位 阪神(32勝31敗4分)=首位との差:9.0
4位 中日(31勝35敗4分)=首位との差:11.5
5位 広島(26勝34敗7分)=首位との差:13.5
6位 ヤクルト(26勝36敗5分)=首位との差:14.5


▼ パ・リーグ順位表
1位 ソフトバンク(39勝27敗3分)
2位 ロッテ(39勝28敗2分)=首位との差:0.5
3位 楽天(34勝32敗3分)=首位との差:5.0
4位 日本ハム(32勝34敗3分)=首位との差:7.0
5位 西武(31勝34敗2分)=首位との差:7.5
6位 オリックス(22勝42敗5分)=首位との差:16.0  


貯金・借金ひとり占め?


 ご覧の通り、セ・リーグは巨人の独り勝ち状態。

 現在2位につけているDeNAとは8.5ゲーム差。セーフティーリードとも言えるようなマージンを稼いでいる。

 追いかける2位・DeNAも貯金はわずかに「2」。巨人以外の5球団は“どんぐりの背比べ”という状況に近づきつつある。


 一方のパ・リーグは、オリックスが借金「20」を抱え、5位・西武の背中は遠のくばかり。

 首位から5位は7.5ゲーム差だが、西武とオリックスの間にはすでに8.5ゲームもの差がついている。極端に言えば、セ・リーグは1強5弱、パ・リーグは5強1弱ということになる。


 そこで考えられるのが、セ・リーグは5球団が借金を背負い、パは5球団が貯金をつくるという状況。

 これまでのプロ野球の歴史において、最終順位が確定した時点では起こったことがない珍事だが、シーズン中の出来事としてなら、過去にも発生している。


過去のシーズンを振り返ってみると…?


 たとえば、2018年の7月だ。

 前半戦を終えた時点で、セ・リーグでは広島だけが貯金をつくり、他の5チームは借金生活。逆にその年のパ・リーグは、楽天だけが借金を背負い、他の5球団が貯金をつくってシーズンを折り返した。

 もちろん、この現象は交流戦の影響が大きかった。例年、交流戦ではパ・リーグがセ・リーグを圧倒しているからだ。2015年の7月には、セ・リーグ全球団が借金生活に陥るという異常事態に直面したこともある。


 今季のプロ野球は、コロナ禍で交流戦の開催がないにもかかわらず、2年前の状況に近づいている。

 もし、交流戦が開催されていて、いつも通りパ・リーグがセ・リーグを圧倒していれば、両リーグで“珍事”が起きる可能性はかなり高かったのではないだろうか。


 また、触れておかなくてはいけないのが、今季のクライマックスシリーズ(CS)についてだ。

 セ・リーグは今季のCSを中止、パ・リーグはファイナルのみ実施と判断が分かれた。もし、セ・リーグで今季CSが行われていれば、ファーストステージが借金を抱えた球団同士の争いになっていた可能性もある。

 逆にパ・リーグは、5球団による2つの枠を巡る争いとなっていくのだろうか…。今後の推移を見守りたい。


文=八木遊(やぎ・ゆう)


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※お詫びと訂正(2020年9月9日17時20分)
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初出時、CSの開催方式について一部誤りがありましたので、該当部分を訂正しました。
大変失礼致しました。
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