25号本塁打をマークした大山が再び岡本に並ぶ
注目を集めているセ・リーグの本塁打王争いが、いよいよ白熱してきた。10月11日に行われた阪神-DeNA戦の5回、阪神の4番・大山悠輔は、相手先発・上茶谷大河が投じた甘いスライダーを一閃。打球は熱狂する虎党が待つ左中間スタンドに飛び込む逆転決勝2ランとなった。
これで今季の大山の本塁打は25号に到達。10月8日の巨人-DeNA戦で大山に先んじて25号を放っていた岡本和真(巨人)と本塁打ランキングで再びトップに並んでみせた。ここで、あらためて現在のセ・リーグ本塁打ランキングを見てみる。
【セ・リーグ本塁打ランキング】
1位:25本 大山悠輔(阪神)
3位:21本 丸 佳浩(巨人)
3位:21本 鈴木誠也(広島)
3位:21本 ソト(DeNA)
3位:21本 村上宗隆(ヤクルト)
4人が並ぶ3位に4本差をつけている岡本と大山の一騎打ちの様相を呈してきたようにも思える本塁打王争いだが、忘れてはならない選手がいる。2018年、2019年と2年連続本塁打王に輝いているソト(DeNA)だ。
過去2年のソトはシーズン最終盤に本塁打を量産
大山が25号を放ったその試合でこそノーアーチに終わったソトだが、前日10月10日の同カードでは20号、21号を連発。首の張りから復帰後は絶好調を維持し、10月だけで8本塁打を放っているチームメートのオースティン(DeNA)の陰に隠れてはいるものの、ソトも10月はすでに4本塁打をマーク。月間本塁打数では、ひとり図抜けているオースティンに次ぐリーグ2位タイの数字だ。
しかもソトは、昨季も9月に19試合で10本塁打、2018年は9、10月の28試合で14本塁打という数字を残しており、シーズン最終盤に本塁打を量産する傾向にある。ここから一気にまくってきてもなんら不思議ではない。
9月19日のDeNA-巨人戦では、来日3年目にして早くもNPB通算100号本塁打をマークしたソト。出場321試合での100号到達は、ウッズ(当時中日)、山川穂高(西武)に並ぶ史上6位のスピード記録ということも話題になるなど、2年連続本塁打王の実力はそれこそ折り紙つきだ。
世間的には岡本と大山の本塁打王争いに盛り上がっているが、終わってみれば……ということも十分にあり得る。ソトが3年連続本塁打王の座を虎視眈々と狙っている。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)