コラム 2020.10.19. 12:30

日本ハム・近藤健介、異例の「1桁本塁打」で“出塁率”歴代トップ10入りへ

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日本ハム・近藤=札幌ドーム

出塁率は12球団ダントツの「.470」


 10月18日に行われたロッテ-日本ハム戦で、日本ハムの近藤健介が2安打をマーク。これで、9月18日のロッテ戦から続く連続試合出塁を「25」に伸ばした。毎試合あたりまえのように出塁を続ける近藤の出塁率は、現在「.470」。これは、2位・吉田正尚(オリックス)の「.448」を大きく引き離す12球団トップの数字である。

 それもそのはず。現在の近藤の出塁率.470は、2015年に柳田悠岐(ソフトバンク)が残した「.469」を上回り、シーズン出塁率歴代6位に相当する。出塁率がNPBの公式記録となった1985年以降のシーズン出塁率歴代トップ10は以下のとおりだ。

【シーズン出塁率歴代トップテン】※1985年以降
1位「.487」 落合博満(ロッテ/1986年)
2位「.4806」落合博満(ロッテ/1985年)
3位「.4805」バース(阪神/1986年)
4位「.4728」落合博満(中日/1991年)
5位「.4725」小笠原道大(日本ハム/2003年)
6位「.4694」柳田悠岐(ソフトバンク/2015年)
7位「.4687」ペタジーニ(ヤクルト/1999年)
8位「.468」 丸佳浩(広島/2018年)
9位「.467」 カブレラ(西武/2002年)
10位「.466」 ペタジーニ(ヤクルト/2001年)


出塁率歴代トップテンには本塁打王がずらり


 長距離砲がずらりと名を連ねる。打率はもちろん、四球の数によっても大きく左右される出塁率は、勝負を避けられ敬遠される、あるいは敬遠でなくとも実質的に敬遠といえる四球が増える傾向にある長距離打者のほうが上がりやすい。

 シーズン出塁率歴代トップ10の選手のシーズン本塁打は、いずれも30本以上だ。そればかりか、トップテンの選手のうち小笠原道大(日本ハム)、柳田悠岐(ソフトバンク)、丸佳浩(広島)を除く全員が、当該シーズンの本塁打王となっている。まさに歴代級の長距離砲ぞろいというわけだ。

 一方、近藤の本塁打はここまでわずか「5」。中距離打者である近藤は、2018年にマークした9本塁打が自己最多であり、本塁打を量産するタイプではない。そう考えると、勝負を避けられることが多かった過去の長距離打者たちとは色合いが違って、より純粋な意味での「選球眼」や、打球を高確率でヒットゾーンに飛ばす「ミート力」によって高い出塁率を維持しているとも言える。

 シーズン本塁打が2桁に満たないアベレージヒッターが、その「技術」で、歴代スラッガーたちのあいだに割って入るような記録を残そうとしている。

※数字は10月18日終了時点


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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