レイズとドジャースが激突
現地時間18日(日本時間19日)、コロナ禍で開催された2020年のメジャーリーグにおけるワールドシリーズの組み合わせが決まった。ア・リーグを勝ち抜いたのは、筒香嘉智が所属するレイズ。対するナ・リーグは、ドジャースが2年ぶりの大舞台にたどり着いた。
史上初となる16チームによるポストシーズンを勝ち上がってきた2チーム。一体どちらのチームが有利なのか、2つの視点で迫ってみた。
日程の利
LCSが4戦先勝の7試合制になったのは1985年。それ以降、LCSを4勝3敗で勝ち上がってきた同士の対戦は、2003年と04年に次いで今回が3度目となる。
03年はマーリンズがヤンキースを、04年はレッドソックスがカージナルスを撃破し、世界一に輝いた。LCSを勝ち上がったタイミングを見てみると、どちらの年も先にリーグ優勝を決めたチームが、その年のワールドシリーズを制している。
「二度あることは三度ある」ということわざに倣えば、今回も1日早くワールドシリーズ進出を決め、中2日で初戦を迎えられるレイズの方に分があるのかもしれない。中1日というハードスケジュールと前例を跳ね除け、怒涛の3連勝で勢いに乗るドジャースが頂点に立つようなことがあれば、「三度目の正直」となるが、果たして――。
勝率1位同士の対戦
ワールドシリーズで相まみえるレイズとドジャース。ともにレギュラーシーズンをリーグ最高勝率で終えた。トップシードだったにもかかわらず、ワイルドカードシリーズ以外は“ホームアドバンテージ”がないという中、ワールドシリーズにたどり着いたことになる。
今年と同じように、その年のトップシード同士がワールドシリーズで対戦するのは、各リーグ3地区制になった1994年以降では4度目だ。
1度目は1995年で、レギュラーシーズン90勝54敗のブレーブス(勝率.625)が、同100勝44敗のインディアンス(勝率.694)を4勝2敗で下した。2度目は1999年で、レギュラーシーズン98勝64敗のヤンキース(勝率.605)が、同103勝59敗のブレーブス(勝率.636)を4連勝で下した。
そして3度目は2013年だったが、この時はトップシードのカージナルスとレッドソックスはともに、レギュラーシーズンを同じ97勝65敗という成績(勝率.599)で終えていたので、ここではノーカウントとする。ちなみに、この年は上原浩治と田澤純一を擁するレッドソックスが世界一の称号を手にした。
過去“2回”は、いずれもレギュラーシーズンの勝率が低いチームが世界一に輝いている。今年は、実績的に見ても40勝20敗のレイズ(勝率.667)が、43勝17敗のドジャース(勝率.717)に挑む形となりそうだが、レイズファンなら「二度あることは三度ある」、ドジャースファンなら「三度目の正直」ということわざを信じたいところ。
勝利の女神は一体どちらのチームに微笑むのか――。注目の一戦は現地時間20日20:09(日本時間21日9:09)に幕を開ける。
文=八木遊(やぎ・ゆう)