コラム 2020.12.25. 07:09

“甲子園優勝投手”が「ドラ1候補」に浮上!早稲田大・徳山壮磨の進化

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早稲田大・徳山壮磨投手 [写真提供=プロアマ野球研究所]

大阪桐蔭で全国制覇


 コロナ禍に揺れた2020年が間もなく終ろうとしているが、「ドラフト戦線」は早くも活発な動きを見せている。

 プロアマ野球研究所では、いち早く来年のドラフト候補を取り上げ、その実力を分析してご紹介していきたい。

 今回は、大学で順調にスケールアップを遂げているかつての“甲子園優勝投手”にスポットを当てる。


▼ 徳山壮磨(早稲田大)
・投手
・183センチ/82キロ
・右投右打
・大阪桐蔭高出身

<リーグ戦通算成績>
27試(85.0回) 5勝2敗 防御率1.59
奪三振75 被安打56 与四死25 自責点15  
奪三振率7.94 被安打率5.93 四死球率2.65 WHIP0.95

<主な球種と球速帯>
ストレート:142~151キロ
カーブ:100~110キロ
スライダー:125~130キロ
フォーク:128~132キロ

☆クイックモーションでの投球タイム:1.21秒


春のリーグ戦でベストナインに輝く


 今年は早川隆久(早稲田大→楽天1位)、入江大生(明治大→DeNA1位)、鈴木昭汰(法政大→ロッテ1位)、木沢尚文(慶応大→ヤクルト1位)と、4人の投手がドラフト1位でプロ入りした東京六大学。その中で来年のドラフト会議で最注目選手となる可能性が高い選手が、徳山壮磨(早稲田大)である。

 大阪桐蔭時代に2年春、3年春・夏と3度の甲子園出場を果たすと、3年春にはエースとしてチームの優勝に大きく貢献。さらに、夏の甲子園後には清宮幸太郎(日本ハム)や安田尚憲(ロッテ)らとともにU18W杯にも出場している。


 早稲田大に進学後、1年春にはリーグ戦デビューも飾っているが、メキメキと頭角を現したのは昨年の秋からだ。早川に次ぐ2番手として、5試合に先発して3勝をマークする活躍。リーグ戦終了後には大学日本代表候補にも選出されている。

 徳山の進化は3年になっても続いている。今年そのピッチングを見たのは、8月12日に行われた春季リーグの対法政大戦。相手は高田孝一(楽天2位指名)だったが、徳山は立ち上がりから安定したピッチングを披露。後を受けた投手が打たれてチームは敗れたものの、徳山自身は7回を投げて自責点0という見事な内容だった。

 最終的に、春のリーグ戦では16回を投げて防御率0.00という抜群の成績。並居る4年生投手を抑え、満票でベストナインに輝いている。この結果で、名実ともにリーグを代表する投手となったことは間違いないだろう。


「ドラ1確実」となるためには…


 徳山が持つ最大の特長は、柔らかい腕の振りと球持ちの長さだ。

 バックネット裏から見ていても、腕を振り終わってからボールが出てくるような錯覚を覚えるほどで、打者はタイミングをとるのが非常に難しい。軸足にしっかりと体重を乗せてから、無駄な動きがなく、スムーズに体重の移動ができている。フォームのバランスが良く、コントロールに苦しんでいるところは見たことがない。

 高校時代は140キロ台前半程度だったスピードも、コンスタントに145キロを超えるようになり、打者の手元で鋭く変化するスライダーやフォークも一級品だ。

 これまでのリーグ戦通算成績を見ても、奪三振率は少し物足りないとはいえ、無駄な四死球が少なく、しっかりと試合を作っている。


 欠点らしい欠点がなく、今のままでも、ドラフトで上位指名される可能性が十分に高いが、盤石な「1位候補」となるための課題を挙げるとすれば、さらなるスピードアップと、いかに調子の波を小さくできるか、という点になりそうだ。

 前述したように、球持ちの長さは素晴らしいが、オーソドックスな右のオーバースローということを考えると、コンスタントに150キロを超えるまでのスピードが欲しいところである。

 また、春のリーグ戦では素晴らしい投球を見せていたが、約1カ月後に開幕した秋のリーグ戦ではもうひとつ調子が上がらず、0勝に終わっている。

 体つきはだいぶ立派になってきているが、木沢や高田に比べるとまだ細身であり、プロの長いシーズンを戦うためのスタミナはまだまだと言えそうだ。


 ただし、こうした注文はかなりハイレベルではある。だが、最終学年に大きく飛躍した早川と比べても、ポテンシャルの高さでは決して負けていないだけに、クリアできる可能性も十分にあるだろう。

 来年は春・秋どちらのリーグ戦で万全の成績を残し、ドラフト1位で複数球団が競合するような存在にレベルアップしてくれることを期待したい。


☆記事提供:プロアマ野球研究所
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