コラム 2021.01.04. 20:00

球界新時代、次世代のリーダーは?【白球つれづれ】

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来季から一軍を指揮するDeNAの三浦大輔新監督

白球つれづれ2021~第1回・12球団の指揮官事情


 2021年新春。スポーツ界は毎年恒例の大学箱根駅伝が今年も大きな注目を集めた。結果はご存知の通り、新興勢力の創価大が躍進、総合優勝も目前としながら、古豪の駒大が最終10区で大逆転。劇的なドラマは見る者の心まで鷲掴みにした。

 同時に沿道の応援は自粛が呼びかけられ、勝利校の胴上げもなし。コロナ禍の影響は新しい年を迎えても暗い影を落としている。果たして、1年延期の東京五輪は行われるのか? 野球界もまた、非常事態下のキャンプインを迎える。

 新たなシーズンを前に、球界の人事の面から注目してみた。今季の新監督は、楽天・石井一久、DeNA・三浦大輔の2人。共に47歳のフレッシュな指揮官誕生だ。(オリックスの中嶋聡新監督の場合は昨年途中から監督代行として指揮を執っているため、この範疇から外す)。

 GM兼任で指揮を執る石井監督はチームの骨格作りから現場の指揮まで全権を任された。巨人の原辰徳監督も実質上の全権監督だが、石井は監督1年目。果たしてどんな野球を形作り、王国建設の礎を築くのか。異例の指導体制だけに注目が集まる。

 一方の三浦監督は前身の大洋、横浜からベイスターズ一筋。A・ラミレス前監督時代から一軍投手コーチ、二軍監督と要職を任され、次期監督としての道を歩んできた。こちらは代名詞でもある「リーゼント」で髪を固めての出陣。どちらも投手出身であり、両チームともに打撃はトップクラスで、投手陣の整備が急務だけに真価が問われる。

 ちなみに、2人の新監督誕生で12球団の監督をポジション別に見ると、投手出身が工藤公康(ソフトバンク)、与田剛(中日)、佐々岡真司(広島)、高津臣吾(ヤクルト)に石井、三浦新監督を加えて6人。捕手は矢野燿大(阪神)、中嶋聡(オリックス)の2人。内野手は原辰徳(巨人)、辻発彦(西武)、井口資仁(ロッテ)の3人、外野手は栗山英樹(日本ハム)の1人だけ。

 一昔前には捕手や内野手出身監督が多く、投手出身は現役時代から全軍を掌握するには不向きとされていたが、今や12球団の半数を占めるまでになった。これは故・星野仙一氏や常勝軍団を率いる工藤監督らの功績か? はたまた、データ野球全盛の今はスコアラーらを含めた総力態勢のため、出身分野はかつてほど重要視されなくなったのかも知れない。


押し寄せる40代監督の波


 ロッテ・井口監督に次ぐ40代監督の誕生で球界の新陳代謝は一気に加速していくのだろうか? 確かにいくつかのチームでは、すでに後継候補と目される人材がいる。巨人の阿部慎之助、西武の松井稼頭央は共に二軍監督として修業中だ。阿部が41歳で松井は45歳。現在、一軍で指揮を執る原、辻両監督の実績は十分だが、ふたりとも62歳でセ・パの最年長。世代交代が進むようなら、出番は遅かれ早かれやって来る。

 40台のニューリーダーという観点から注目されるのは、ソフトバンクのヘッドコーチに就任した小久保裕紀氏もそのひとり。ホークスの4番を長く務め、侍ジャパンの監督も務めたキャリアは輝かしい。日本シリーズ4連覇の工藤監督から直々に野手陣の育成強化を託され、チームを引き締める軍曹役も担う。

 “ポスト工藤”の一番手として数年後の監督就任は衆目の一致した見方だ。他にも日本ハムの次期監督が有力視される稲葉篤紀氏も48歳。こちらは東京五輪が開催され、金メダル監督として勲章を持ち帰りたい。

 年代論からは離れるが、今春のキャンプ臨時コーチとして古巣から招請されたのが、立浪和義と古田敦也両氏だ。ミスタードラゴンズとして今でも地元・名古屋で根強い人気を誇る立浪氏だが、監督候補として何度も名前が挙がりながら実現してこなかった。

 「交友関係がネックと噂された時期もある」と地元記者は言う。この球団独特のオーナーとの関係を指摘するむきもあった。だが、今回の臨時コーチ要請は、そうした障害も解けたことを意味している。根尾昂、石川昂弥選手ら有望な若手の指導だけでなく、近年、ナゴヤドームの観客動員が伸び悩んでいるお家の事情からも、次期監督待望論が出てきてもおかしくない。

 かつて、ヤクルトで選手兼任として指揮を執った古田氏はチームの課題であるバッテリー強化に一役買うことになった。古田監督時代には神宮周辺の青山商店街も巻き込んだ“スワローズタウン化”を推進したり、新たなスポンサー獲得など新風をもたらしたものの、チームは低迷したまま短命で終わった。球団内には再登板を推す声もあると聞く。

 新監督の下で心機一転を期すチームもあれば、昨年の屈辱を晴らしたいチームもある。今年に監督生命を賭ける指揮官もいる。

 「打倒ソフトバンク」「打倒巨人」が掛け声だけに終わらず、箱根駅伝並みのドラマチックな大逆転劇を見てみたい。いつの世もニュースターやニューリーダーの出現をファンは心待ちしている。


文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

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