インディアンスの25歳右腕シェーン・ビーバー

◆ 対戦数の少なさは投手優位に? 上位陣は過去10年に集中

 21世紀(2001年~)のシーズン最高“〇率”を残した選手をランキング形式で紹介する本企画。投手編では「防御率」、「奪三振率」、「被打率」、そして「セーブ成功率」の4部門を取り上げた。

▼ 防御率
1位 1.63 シェーン・ビーバー(2020年)
2位 1.66 ザック・グリンキー(2015年)
3位 1.70 ジェイコブ・デグロム(2018年)

 まずは王道の防御率だが、短縮シーズンの昨季シェーン・ビーバーの「1.63」が1位を獲得した。登板数は12試合だけだったが、15年にグリンキーがマークした「1.66」を僅かに上回った。過去20年で防御率1点台をマークしたのはのべ10人だけで、1人で2度記録したのはクレイトン・カーショー(2013年、14年)だけだった。

 上位3人の中で異色だったのは3位のデグロム。「1.70」という優秀な防御率をマークしたにもかかわらず、10勝(9敗)しか挙げることができなかった。

▼ 奪三振率
1位 14.20 シェーン・ビーバー(2020年)
2位 13.82 ゲリット・コール(2019年)
3位 13.76 ジェイコブ・デグロム(2020年)

 奪三振率トップも20年のビーバーで唯一の「14」超え。ここ数年は本塁打の増加に比例して、三振数も激増。この部門10位までのうち6例が過去2年で生まれている。

 ちなみに4位が01年のランディ・ジョンソンがマークした「13.41」。打者優位の時代に生まれたこの数字は突出度では間違いなく1位といえるだろう。

▼ 被打率
1位 .159 トレバー・バウアー(2020年)
2位 .160 ディネルソン・ラメット(2020年)
3位 .167 シェーン・ビーバー(2020年)

 被打率部門は3位までを2020年の投手が占めた。1位はバウアーで「.159」、2位はパドレスのラメット、3位がビーバーだった。3部門すべてで3位以内に入った昨年のビーバー。もしフルシーズン投げていれば、どのくらいの成績を残していただろうか。

 ちなみに4位は、前田健太が昨年マークした「.168」で、5位にようやくフルシーズンを投げた19年のジャスティン・バーランダーが登場する。打者編では2010年までの選手が上位を占めたが、その後の10年間は投手優位の時代ということがよく分かる。

▼ セーブ成功率(40セーブ以上/20年は15セーブ以上)
1位 100%(55/55)エリク・ガニエ(2003年) 
2位 100%(49/49)ホセ・バルベルデ(2011年)
3位 100%(47/47)ザック・ブリトン(2016年)
4位 100%(41/41)ブラッド・リッジ(2008年)
5位 100%(16/16)ブラッド・ハンド(2020年)

 最後は、抑え投手の成績を取り上げたい。過去20年で、40セーブ以上マークした投手はのべ116人いた(20年は15セーブ以上)。そのなかで、セーブ失敗が1度もなく、セーブ成功率100%をマークした投手は5人に上る。

 その5人をセーブ数の多い順に並べると、03年のエリク・ガニエがトップだった。02年から04年にかけて、メジャー記録の84試合連続セーブ成功を樹立するなど、打者優位の時代にクローザーとして強烈なインパクトを残した。

 今回の投手編では、多くの項目で2020年の投手が上位に名を連ねた。コロナ禍でなければ、これらの記録も大きく変わっていたかもしれない。21年はフルシーズンを戦ったうえで、新たな記録が誕生することにも期待したい。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

八木遊 の記事をもっと見る

【PR】「ABEMA」がMLBを生中継
日本人選手の活躍を無料で視聴できる!

ABEMA × MLB2025

新しい未来のテレビ「ABEMA」では、2025シーズンのMLB公式戦を無料生中継! 平日のドジャース戦全試合を含む、レギュラーシーズン485試合を生中継で楽しむことができます。また、試合の名場面を試合終了後から楽しむことができる「ハイライト映像」も無料で視聴可能。

プレミアム会員なら一部のプレミアム限定配信試合も見放題で楽しめるほか、試合後1週間いつでもフル映像を視聴可能。さらに、みんなで観戦を楽しめる「コメント機能」、試合途中でも最初から視聴できる「追っかけ再生」など機能も充実。

スマホ、PC、タブレット、TVなどマルチデバイスでどこでも観戦できる「ABEMA」でMLBを堪能しよう!

POINT

大谷翔平をはじめ日本人選手が活躍するMLBを無料で視聴可能! TV視聴も可能!

② プレミアム会員なら有料試合も見放題。コメント機能や追っかけ再生で楽しみ方も充実!

③ ABEMAプレミアムは広告なし見放題(月額1,080円)広告あり(月額580円)から選べる!

もっと読む