コラム

沖縄よりも“熱い”…阪神・梅野隆太郎が抱く頂点への渇望と逆襲への想い

無断転載禁止
阪神・梅野隆太郎 (C) Kyodo News

「チーム全員で優勝したい」


 南国の「暑さ」に負けない、「熱い」決意表明だった。

 阪神タイガースの梅野隆太郎が、沖縄県内のグラウンドでチームメートの大山悠輔と岩崎優、そしてDeNAの山本祐大と合同自主トレをスタート。「半袖でも余裕」という気温の中で、充実の汗を流している。


 リモートでの取材も、発する言葉はどれも力強く、反骨に満ちた。何度も口にしたのは「優勝」の2文字、そして打倒・巨人への揺るがぬ思いだ。

 「昨年、優勝できなかった(2位の)悔しさがあるので、そこに向けて。チーム全員で優勝したい気持ちがあるんで、そこに向けてしっかり準備していきたいなという気持ちで」

 昨年、チームで誰よりも多くマスクを被った29歳は、悔しさとともに新たな一年を迎えていた。


苦しめられた王者の「足攻」


 ペナントレースを独走した巨人に対して、昨年は8勝16敗。大きく負け越した「伝統の一戦」の記憶は、正捕手の胸にも屈辱として刻まれている。

 決して広くない東京ドームで空中戦を展開するイメージの強い巨人でも、梅野の実感として自軍を上回ったのが「機動力」。

 「盗まれたなとか、エンドランをかけてきたりとか、作戦面がすごく細かなチームだし、それが最高の仕事になって結果を残されている。やられているイメージが強い」と唇をかんだ。

 さらに、今季からは通算149盗塁を誇る梶谷隆幸も加入。「(バッテリーで)どういう風にサインを交換するかという、1球1球の緊張感、緊迫したところで盗塁を防いでいかないといけない。(梶谷は)上位で揺さぶってきたり、動いてくる。警戒するだけでストレスというか、そういうのがある。どこの打順に入るか分からないですけど、機動力を抑えるためにピッチャーにもこのキャンプで伝えていかないといけないのもある」と当然ながら警戒を強めている。


 チーム全体、そしてバッテリーとして抑え込んでいかなければいけない、宿敵の“飛び道具”。

「準備不足にならないように、その辺はしっかりコミュニケーションプラス、チームでやることを。梶谷さんとかを走らせないとか、相手の情報をなるべく押さえるようにやっていきたい」

 “傷”を負ったからこそ、同じ転び方はしたくない。バズーカと称される自慢の強肩を宝の持ち腐れにしないためにも、バッテリー間の意思疎通を図って、これまで以上に「ジャイアンツの足」を意識付けしていく。主戦捕手である梅野にとって、2月1日から始まる春季キャンプのミッションのひとつでもある。


30歳を迎える節目のシーズン


 バットでの逆襲にも燃えている。メジャー挑戦を目指していた菅野智之の残留にも反応した。

 「貯金をあれだけ作っているピッチャーだからこそ、その分ゲーム差を縮めるためには自分たちがやっつけていかないと。菅野さんだけじゃなくて、ジャイアンツのローテーションピッチャーをどう攻略していくか。良いピッチャーだからこそ、菅野さんから勝って。そういう良いピッチャーに勝つとチームとして勢いも出てくる」

 2020年は2番も任されるなど、打線で果たす役割も大きいだけに、昨年4勝を献上した天敵から1つでも多く白星をもぎ取ることも、頂点へ駆け上がるための通過点になる。 


 球団の捕手では初の3年連続ゴールデングラブ賞で締めくくった昨年も、決して満足いくものではなかった。

 開幕直後やシーズン終盤も、チームがとった捕手併用策もあって不完全燃焼。募る感情をぶつけるのは、節目の30歳を迎える2021年になる。

 「守備の部分でもまだまだ物足りなさも感じる部分が昨シーズンもあったので。攻撃も守りも、走るというところにもトライして例年以上に結果残せるようにやっていきたい」

 走攻守の能力を高いレベルで兼備したハイエンドな捕手を目指す。王者をなぎ倒す中心には梅野隆太郎がいて欲しい。


文=チャリコ遠藤(スポーツニッポン・タイガース担当)
ツイート シェア 送る

もっと読む

  • ALL
  • De
  • 西