『B魂』第15回・西野真弘
いよいよ2月1日から春季キャンプがスタート。今年はAからCの3グループに分けられた。
中嶋聡監督となって初めての春季キャンプは、Aグループの内・外野手に30代以上の選手がひとりも含まれない若手主体のメンバー構成だ。レギュラーの安達了一や、今年31歳となる西野真弘もBグループでのスタートとなった。
近年はケガとの戦いが続いている“ガッツマン”西野は、「昨年は新型コロナの影響で開幕も延期になり、試合数が減少して無観客試合で開幕となった中、最も出場試合数が少ないシーズンになりました。昨年だけに限らず、ケガで離脱する事が多い。そこは一番に感じているところ」と悔しさを滲ませる。
中嶋監督は、コンディションに不安のある選手を頭からAグループには選ばず、徐々に若手やベテラン・中堅を融合させていく構え。西野自身も「シーズン中から思うように体の状態が上がってこなかった事もあったので、秋季練習、オフから春にかけては体のコンディションを整える事、柔軟性を作ることを考えてやってきた」と、これまでを振り返る。
ここ数年は「1年間、ケガをしない体づくり」を色々試みてきたが、結果的に足に負担がかかるなど、ケガに繋がってしまうケースも多かった。真面目で真っ直ぐな性格の持ち主なだけに、「柔軟性を作ること」は体に限らず必要なことだったのだろう。
チームでは、『最強世代』と謳われる太田椋、宜保翔、紅林弘太郎ら若い世代がAグループでキャンプイン。世代交代の波は間違いなく押し寄せているが、「世代交代とかは関係ない。結果を出して、試合に出る。レギュラーをとる。活躍する。試合に勝つ。それだけです」と、今年も自分自身の力を信じて、ガッツ溢れるプレースタイルを貫いていく。
今季に向けて「ケガなく、シーズンを通して試合に出れる様にやるしかない。頑張ります! 裏切ってばかりですが、今年も応援よろしくお願いします!」と意気込みを口にした西野。「とにかく怪我はしたくないし、試合に出たい」と、シーズンを通してチームに貢献することを見据えつつ、「優勝はもちろんしたいですが、CSに行きたい。僕から後に入った選手は出たことがないので、今年はCSへ」と、2014年以来となるCS出場を誓った。
西野真弘という存在が、『最強世代』の若手たちにとって、まだまだ大きな壁であり続けなければチームは活性化していかない。競争力を高め、さらなる成長を促すためにも、キャンプで猛アピールを期待したいところだ。
取材・文=どら増田