コラム 2021.02.19. 07:09

慶応大の「不動の4番」 正木智也はプロ注目の大型スラッガーだ!

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慶応大・正木智也選手 [写真提供=プロアマ野球研究所]

六大学を代表する大型スラッガー


 コロナ禍に揺れた2020年が終わり、幕を開けた2021年。しかし、年明け早々から「緊急事態宣言」が発出され、そのまま最初のひと月が終了。緊急事態も延長となるなど、まだまだ予断を許さない状況が続いているが、時計の針は止まってはくれない。ドラフト戦線は既に動き始めている。

 昨年は新型コロナウイルスの影響で多くの公式戦や大会が中止に追い込まれたが、限られた機会の中で輝きを放った選手は決して少なくなかった。プロアマ野球研究所では、今年も引き続きドラフト候補を取り上げ、その実力を分析してご紹介していきたい。

 今回は、東京六大学を代表する右の大型スラッガーを紹介する。。


▼ 正木智也(慶応大)
・外野手
・182センチ/87キロ
・右投右打
・慶応高出身

<リーグ戦通算成績>
51試合 打率.309(139-43) 本塁打6 打点31
172打席 二塁打4 三塁打0 四死球28 盗塁0
出塁率.413 長打率.468 OPS.881

<各塁へのベスト到達タイム>
一塁到達:4.40秒
二塁到達:8.66秒


昨年から「不動の4番」に定着


 昨年のドラフトでは、佐藤輝明(近畿大→阪神1位)が野手の一番人気に。今春のキャンプでも話題を振りまいているが、今年の大学生野手のスラッガータイプで真っ先に名前が挙がるのが、慶応大の主砲・正木智也だ。

 そのプレーを初めて見たのは、2016年春の神奈川県大会・桐光学園戦のこと。中川颯(立教大→オリックス4位)の前に3打数ノーヒットに終わったものの、2年生とは思えない体格と打席の雰囲気があったことをよく覚えている。

 そして、次に見たのは3カ月後の夏の神奈川大会・準々決勝。東海大相模の山田啓太(白鴎大→JFE東日本入社予定)から初回にいきなり3ランを放つと、第3打席にもリードを大きく広げる2ランを放ち、チームの大勝に大きく貢献してみせた。

 慶応高の選手は、そのまま慶応大に進学することが多いため、高校時代はドラフト候補として、それほど大騒ぎされることはなかったが、3年夏にも5割を超える打率をマークする活躍を見せている。


 大学進学後は、2年春にレギュラーを獲得。その秋にはチームのリーグ戦優勝にも貢献し、ベストナインにも輝いた。郡司裕也(中日)が卒業した昨年からは、不動の4番に君臨している。

 そんな正木の凄さが出たのが、10月3日の立教大戦だった。

 第1打席で中安、第2打席ではレフトへの適時打を放つと、第3打席では初球の抜けたスライダーを見逃さずにレフト中段へ叩き込んで見せたのだ。

 この時のホームランは、インパクトの音と打球の初速が全く違い、立教大のレフトを守る三井健右(大阪ガス入社予定)も、完全に打球を追うのを諦めるようなものすごい当たりだった。


最大の魅力は“長打力”


 ここまで書いてきていることからも分かるように、正木の最大の魅力はその長打力だ。

 高校時代から、軽く払ったようなスイングでもスタンドに届いていたが、木製バットになった現在でも、その印象が大きく変わることはない。それだけしっかりヘッドが走り、インパクトでボールに力を伝えることができている証拠と言えるだろう。

 基本的にはレフトへの長打が多いが、強引に無理やり引っ張るという感じではなく、上手く体の回転を利用してボールを飛ばすコツを心得ているように見える。外角のボールに対してはライト方向へ打つ上手さも備えており、リーグ戦通算成績を見ても分かるように、決してホームランか三振かというバッターではない。

 ただ、その一方で、少しヘッドが外回りしているようにも見えるのは課題だ。

 内角のボールをしっかりとらえた打席は大半が変化球であり、胸元の速いボールは弱点となっている。また、以前よりもバットを引く動きが大きくなり、縦の変化球に崩されるケースも目立つ。このあたりを克服できるかが、プロでも活躍するための大きなポイントとなりそうだ。


最終学年での大爆発に期待


 大型ながら抜群の脚力がある佐藤輝明とは違い、打つ以外のプレーに関しては、それほど目立つものがないというのも気になるところである。

 昨年10月3日の立教大戦での遊ゴロが、今まで計測した中で最速のタイムだったが、一塁到達は4.40秒と速くもなく、遅くもなくという数字となっている。肩の強さもまずまずあるが、基本的には打撃で勝負するタイプの選手と言えるだろう。

 しかし、プロでも需要の高い“右の長距離砲”というのは、大きな魅力であることは間違いない。また、昨年秋の早慶戦ではチームは連敗を喫したものの、早川隆久(楽天1位)から二塁打を放つなど、3打数1安打・1四球と結果を残したことも、大きな自信となったはずである。

 近年では、大学の先輩である岩見雅紀(現・楽天)が4年の春・秋で合計12本塁打を放って上位指名を勝ち取っているが、正木も最終学年でそれに負けないような大爆発を見せてくれることを期待したい。


☆記事提供:プロアマ野球研究所
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