コラム 2021.03.08. 07:09

プロ注目のスラッガー!智弁学園・前川右京、センバツでの大暴れに期待

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智弁学園・前川右京選手 [写真提供=プロアマ野球研究所]

大会屈指の長打力


 3月19日(金)に開幕する『第93回選抜高等学校野球大会』。2月23日には組み合わせ抽選会も行われ、1回戦の対戦カードも決定した。

 「春はセンバツから」という言葉もあるが、今年のドラフト戦線もこの大会から大きく動いていく。プロアマ野球研究所では、この春の大舞台に出場する有力候補も積極的に紹介していきたい。

 今回は、大会でも屈指の長打力を誇る左の強打者を取り上げる。


▼ 前川右京(智弁学園)
・外野手
・177センチ/88キロ
・左投左打

<2020年・秋季近畿大会成績>
4試合 打率.375(16-6) 本塁打1 打点4
20打席 二塁打1 三塁打0 四死球4 盗塁0
出塁率.500 長打率.625 OPS1.125

<各塁へのベスト到達タイム>
一塁到達:4.20秒
二塁到達:8.31秒


1年生から4番、夏の甲子園でも大活躍


 選抜で優勝候補の筆頭と見られている大阪桐蔭に対し、近畿大会・決勝で打ち勝って見事に優勝を果たしたのが智弁学園。近畿大会の4試合で計28得点をマークした攻撃力を誇るチームだが、その強力打線の中心を担うのが主砲の前川右京だ。

 苗字の読み方は「まえがわ」で、2歳上の兄である前川夏輝(現・JR西日本)も津田学園の4番打者として3年春と夏に2季連続で甲子園出場を果たしている。

 そんな前川の名前が全国的に評判となったのは、一昨年夏の甲子園だ。

 当時は1年生ながら「4番・左翼」で出場。チームは初戦で敗れたものの、2安打・3打点と見事な活躍を見せた。続く秋の奈良県大会、近畿大会でも8試合で6本塁打と大暴れを見せ、昨年夏に行われた『甲子園交流試合』でも、高橋宏斗(中京大中京→中日1位)から1安打をマークしている。実績・実力ともにレベルの高い近畿の中でもNo.1のバッターと言えるだろう。


ヘッドスピードの速さが圧倒的


 筆者がそんな前川の直近のプレーを見たのが、昨年秋の近畿大会・滋賀学園戦と龍谷大平安戦の2試合。まず目立っていたのが、圧倒的なヘッドスピードの速さだ。

 智弁学園には、前川の後ろで近畿大会の4試合通算15打数10安打と打ちまくった山下陽輔など、他にも力のある打者は少なくないが、その中でもやはり前川は別次元。振り出すタイミングでヘッドの走りが違うように見えた。


 もうひとつ感じたのが、良い意味でスイングが大きくないというところ。高校生のホームランバッターの場合、どうしてもアクションが大きくなり、無駄な動きが目立つことが少なくないが、前川はタイミングをとる時に少しバットは動くものの、振り出し自体は非常にコンパクトなのだ。それでいながらインパクトは強く、打球の速さも際立っているというのが、得難い長所である。

 身長は177センチと特段大柄ではないが、上半身も下半身もたくましく、全身を上手く使ってバットを振ることができている。ゆったりとステップしてボールを呼び込む意識の高さを感じた。


左打者では智弁学園史上最強…?


 さらに感心させられたのが、その修正能力の高さである。

 滋賀学園戦では、第1打席でセンター前にタイムリーヒットを放った後は少し打ち急ぎが目立ち、3つのフライアウトなどノーヒットに終わる。しかし、続く龍谷大平安戦では、最初の2打席はしっかりボールを選んで四球を奪い、第4打席と第5打席に左方向へ強い打球を放って見せたのだ。

 また、現場では見ることはできなかったが、大阪桐蔭との決勝戦では、最速154キロを誇る関戸康介(新3年)からも一発を放っている。相手バッテリーの厳しいマークの中でもバッティングを大きく崩すことなく、短い大会期間中に修正して結果を残せるのはさすがという他ない。


 守備と走塁に関しては、それほど目立つものがあるわけではないが、やはりこれだけ長打力と確実性を高いレベルで兼ね備えたバッターは貴重である。

 最近の智弁学園OBと言えば、巨人の主砲となった岡本和真が代表格だが、その岡本を指導した小坂将商監督は「左打者では前川が歴代の選手でもナンバーワン」とし、「絶大の信頼を置いている」というコメントを残していた。

 思えば、先輩である岡本は3年春の選抜でいきなり1試合2本のホームランを放ち、巨人のドラフト1位を勝ち取っている。前川にも、偉大な先輩に続くような大暴れを期待したい。


☆記事提供:プロアマ野球研究所
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