コラム 2021.04.23. 12:09

青山学院大のルーキーが大暴れ!佐々木泰が放った“驚愕の一撃”にスカウト陣も騒然

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青山学院大・佐々木泰選手 [写真提供=プロアマ野球研究所]

戦国東都にニュースター!


 セ・リーグでは牧秀悟(DeNA)、佐藤輝明(阪神)、栗林良吏(広島)。パ・リーグでは早川隆久(楽天)、伊藤大海(日本ハム)、鈴木昭太(ロッテ)など…。

 今年はとにかくルーキーの活躍が目立っているプロ野球。




 空前の“ルーキー当たり年”とも言われるなか、実はルーキーが話題を集めているのはプロ野球だけではない。

 春のリーグ戦が開幕した大学球界。全国26連盟の中でも最もレベルが高いと言われる東都大学野球に、“スーパー1年生”が現れたのだ。

 今回は、戦国東都で鮮烈なデビューを飾った大注目の強打者候補を紹介したい。



▼ 佐々木泰(青山学院大)
・三塁手 
・179センチ/80キロ 
・右投右打 
・県岐阜商出身

<リーグ戦成績>(4月21日終了時点)
6試合 打率.381(21-8) 本塁打4 打点7
23打席 二塁打2 三塁打0 四死球2 盗塁0
出塁率.435 長打率1.048 OPS.1.483

<各塁へのベスト到達タイム>
一塁到達:4.29秒
二塁到達:8.30秒


デビューから2戦連発の離れ業


 4度の全日本大学野球選手権優勝を誇り、小久保裕紀(ソフトバンク/ヘッドコーチ)や井口資仁(ロッテ/監督)、現役では石川雅規(ヤクルト)や吉田正尚(オリックス)といった、多くの名選手を輩出してきた青山学院大。

 ただ、近年で言うと2014年の秋以来、二部リーグでの戦いが続き、この春はコロナ禍による臨時措置で7校で戦うこととなった一部にようやく復帰を果たしたという状況。それでも、戦力的には他の一部のチームと遜色ないだけの選手を揃えている。


 そのなかで、大きな期待をかけられている新入生が佐々木泰だ。

 高校時代は1年夏から名門・県岐阜商で4番を任されると、2年秋にはチームの東海大会準優勝に大きく貢献。さらに、昨夏の甲子園交流試合では、全16試合で唯一となるホームランをレフトスタンドに叩き込んでいる。

 人材が不足している“右打ちの強打者”ということで、スカウト陣からも高い注目を集めていたが、プロ志望届は提出せずに大学進学を選択した。


 リーグ戦開幕となった東洋大とのカードは3月中の試合ということで、入学式を終えていなかった1年生は出場できなかった。

 だが、4月5日の立正大戦。佐々木は「5番・三塁」として先発出場。第2打席で大学初安打となるレフト前ヒットを放つと、同点で迎えた8回裏には決勝のツーランを放つ“大仕事”をやってのけた。

 続く立正大との第2戦でも、第1打席に2試合連続となる先制ホームランを放ちチームの勝利に大きく貢献。打った瞬間本人から「よっしゃー!」と声が出るほどの完璧な当たりで、スタンドに居並んだスカウト陣からも驚きの声が上がっていた。


この春「6戦4発」の衝撃…


 最大の武器は、その強靭なリストにある。

 構えた時のグリップの位置は少し低く、トップの時にヘッドが中に入るが、振り出しの鋭さはとても少し前まで高校生だったとは思えない。

 2本のホームランはいずれも高めに浮いた変化球をとらえたものだったが、緩いボールを絡めとるようにレフトスタンドに運ぶ技術は見事という他ない。


 さらに、佐々木が高い能力を見せたのが、4月12日に行われた首位を走る中央大との試合だ。

 これだけ当たっている打者ということもあって、中央大バッテリーはかなり警戒していた。しかし、佐々木は第1打席、追い込まれながらも外角いっぱいのボールをライト前に弾き返す。さらに、第2打席では内角低めの難しいボールをとらえてセンターへのツーベースを放った。

 続く2打席は外野フライに倒れたものの、どちらも一歩間違えば長打という当たりだった。踏み込みの強さと下半身の粘りがあり、変化球への対応力も高い。目立った弱点がなく、相手バッテリーからすれば、長打でなければOKというレベルの打者と言えそうだ。


 昨年はコロナ禍で公式戦が少なく、選抜高校野球でもなかなかホームランが出ずに打者が苦しんでいる場面が多かったが、いきなりレベルの高い東都大学野球に入り、完璧に木製バットへ対応して結果を残しているとは、本当に驚きである。

 三塁の守備は捕球・送球とも少し不安定なところがあるものの、地肩の強さは申し分ないだけに、まだまだ成長が期待できるだろう。


 最後に、大学の先輩・井口が持つリーグ記録「通算24本塁打」を目指すと発言している佐々木。ここまでのプレーを見ていると、彼が口にした目標も決して大きすぎるものではないと感じられた。

 というのも、佐々木は4月20日~21日の国学院大戦でも2試合連発を放っており、なんとこの春は出場6試合で4本塁打をマーク。先輩超えへ、これ以上ないスタートを切っているのだ。


 残りのリーグ戦、そして、これからの大学生活でどんなバッティングを見せてくれるのか…。

 彗星のごとく現れた、“東都のニュースター”にぜひ注目してもらいたい。


☆記事提供:プロアマ野球研究所
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