コラム 2021.04.26. 16:03

春風亭一之輔さんの観戦スタイルは!?

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春風亭一之輔さん(写真=ニッポン放送)
 新型コロナウイルスの影響により、入場者数が制限され、声を出しての応援も禁止されるなど、プロ野球の取り巻く環境は変化した。再びスタジアムにファンの歓声や熱狂を起こしたい。そういった熱い想いからはじまったYell Baseball Fan Project。『ニッポン放送ショウアップナイター』の公式応援団『チーム・ショウアップ』に今年から新たに加わった春風亭一之輔さんが、プロ野球への熱い思いを赤裸々に語った。

プロ野球を好きになったキッカケ


 テレビを家族で見ていると、必ずナイターのシーズンになると親父が独占するわけですよ。それに合わせて見ないといけないから、3歳、4歳くらいからシーズン中は野球を見ていたと思う。その時間帯は野球を好きになるしか、楽しく生きてことはできないわけですよね。

 僕は千葉出身ですけど、東京近郊は巨人戦ばかりですからね。自然に野球を見るという習慣がついていましたね。ちょうど子供の頃、後楽園球場から東京ドームができた頃でしたね。

 巨人軍友の会という子供向けのファンクラブに入っていました。冊子が月1で送られてくるんですよ。一番内側のものがポスターだったんですよ。結構大きめで、ホッチキスを開いて、一番内側だけとって、部屋にポスターを月1枚ずつ貼っていく。1年で12枚でしょう。

 僕の部屋には斎藤雅樹、槙原、桑田とか。僕は川相さんですね。その頃のショートがなかなかレギュラーが決まらずに、いろんな候補がいてはどうなんだろう、どうなんだろうってね。川相さんがレギュラーを射止めて定着して、ギネスにのるくらい犠打を決めてね。人生送りバント。それがいいですよ。僕もそうやって生きて生きたいですよ

観戦スタイル


 結構やっている人も多いと思うんですけど、テレビの音を申し訳ないんですけど消してラジオ、ショウアップナイター。やっぱり情感を込めて語られる実況の方が多くて、どちらかというと情感はいらない方なので、見て、目で情報入ってくるので十分。

 細かな情報とか、テレビももちろんすごいんですけど、ラジオの実況のアナウンサーはすごいじゃないですか。ラジオの実況の方はそれ以上に技術があると思うので、それを聞きながら目で見てというのが一番完璧な観戦スタイルではないかなと思います。球場に行った時にもラジオの実況を聞きながら聞くと、すごく見やすいなという気がしますね。解説もありますし、一番聞きやすいと思いますね。

 あとは、ビールを飲んじゃうよね。ちょっと飲みながらの方だと、だいたい5、6回でベロベロですね。知らない間に終わっていたというのが、僕の好きな観戦スタイルですね。

 ものすごく熱心に見ていた小学生、中学生の頃は、メガホンを持って、テレビの前で、年度別で出る巨人軍の応援歌をレコード屋さんで買ってそれを覚えて、歌いながらメガホンを叩いて応援していました。親に“うるせー”と言われながら、“うるせーじゃねーんだ。伝わらなきゃしょうがないんだ”みたいなことを言いながら、中畑清の応援歌とか、クロマティの応援歌を歌いながら見ていましたね。

 これから新しい観戦スタイルが増えていくでしょう。静かなところで声を出さずに打球音とか、ミットに収まるボールの音を聞くのもひとつの良さだなとコロナ禍で思いましたね。

 実況の声もイヤホンを通さずに生の声を聞けるというのもいいなと思いますけど、コロナで大変ですけど、そのときそのときに合わせた楽しみ方があるんじゃないかなと思います。

マイベストシーン


 1989年巨人-近鉄の日本シリーズ。3連敗したあと4連勝して日本一になったというのを、子供心に覚えていますね。昔日本シリーズは平日デーゲーム。小学生は、学校があるんです。どうしても見たいけど、見られないということで、ビデオテープをお小遣いではなかなか高いですよ。

 1戦目録って負け、2戦目、3戦目負けですよ。3戦目はひどい負けですよ。加藤哲郎さんが言っていないみたいですけど、巨人よりはロッテより弱いというようなニュアンスのことを。3戦負けてもうダメかなと思って、ここまできたんだから録画しようと。香田完封勝利。香田さんはエースじゃないですよ。4番手、5番手の先発ピッチャーの香田さんが完封勝利をして、そこから4連勝。最終戦かな、7戦目で駒田選手がホームランを打った。

 諦めずに信じてビデオを撮り続けてよかったなという思い出がありますね。日差しがカンカンと照らしているような球場で駒田さんがホームランを打って、ガッツポーズしながら回っているというシーンは目に焼き付いていますね。ビデオでなんども見直したマイベストシーンです

推し選手


 選手じゃないですけど、桑田真澄一軍チーフ投手コーチ補佐。投球術、理論的な方ですから、考え方とかは新しいものを取り入れたり、指導されると思うので、ちょっと楽しみですよね。

 今までの方が古いとかじゃなくてね、巨人で育って、巨人で活躍された方でかなり長い間、外から野球を見て、新しい血が入ってくるに近いと思うんですよね。桑田さんに期待ですね。

 ご自分が先発完投型ピッチャーで選手にも、完投できるくらいのスタイルでいこうぜという教え方なんですかね。

 あとは菅野投手ですね。今年はメジャーにいかなかった。そういうときってモチベーションはどうなるのかなという気はしますけど、そこは長年やってきてメンタルも強いでしょうから、あえて自分の中でリセットされて、今年去年以上の活躍をされると思いますよ。そのあと菅野投手の今後の野球人生が、かかっているような気がしますね。それも楽しみですね。

 桑田さんもメジャーでやってらっしゃいましたから、向こうに渡る渡らないの節目となった今年ですからね。そういうときの気持ちの切り替えを教わり、夢に向かって投げる感じの今年になるんじゃないですか、菅野投手は。向こうにいっちゃったら寂しいですけど、当人の夢もありますから、今年は巨人で一生懸命、昨年以上の活躍をしていただきたいと思います

プロ野球界へのエール


 エールなんて僕が言える立場ではないんですけど、コロナで観客もフルには入れられず、座席を空けたりして、寂しいですけど、それでも足を運んでくれるファンの方がいる。声を出せないというのは、一番辛いと思いますよ。

 本来の見方からすると程遠いんでしょうけど、お客さんの目というのは、熱いまなざしで見ていると思います。そういうものは伝わるもので、僕らも落語をやっていて、お客さんを半分しか入れられない状況なんですけど、お客さんの眼差しは高座で座って落語喋っていても、真剣に前のめりに聞いていてくれるなとか、今心が離れちゃったなというのがよくわかるんですよ。

 だから野球選手の皆さんもそういうところを感じるところはあると思います。人前に立って、パフォーマンスをするという意味では同じですから、本当に一緒に頑張りましょうと言うしかないですよね。

 あとは延長がないでしょう。引き分けというのも、やっぱりお互い悔しいと思うんですよね。追いついての引き分けならいいですけど、逃げきれなかったとか、もしくは追いついた方も勝ち越したかったなという悔いとか残ると思う。

 9回で必ず決着をつけようじゃないかというところで、緊張感というか、試合の精度みたいなものは高まってくると思うので、それは延長戦がないのは寂しいですけど、それを逆手にとって、9回で必ず決着をつけるんだぞというチームの試合にかける緊張感、意気込みがかなり高いものだと思う。

 コロナで不満足な状況ではありますけど、そこをプラスに変えるような試合が見て見たいなと思います。こういう状況下だからこそ、見られる、感じられたそんな試合をしたいなと思いますね。

 プロ野球選手のみなさんもいいパフォーマンスを見せてもらって、とりあえずこういう状況でも野球は頑張っているんだというところを見せてもらいたいなと思います。

※『チーム・ショウアップ』とは…
ニッポン放送のプロ野球中継「ニッポン放送ショウアップナイター」の公式応援団として、プロ野球を愛するニッポン放送のレギュラー出演者を中心に2018年シーズン開幕前に結成された。
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