筒香の2年目は厳しい状況
開幕から“二刀流”として活躍を見せる、エンゼルスの大谷翔平。
投打だけでなく、安打が出ない日でもしっかりと足でチームに貢献するなど、その存在感は日に日に増している。
一方で、苦境に立たされているのがレイズの筒香嘉智だ。
今季はチーム29試合中22試合に出場するも、開幕から築いたのは三振の山…。
現地2日(日本時間3日)時点の成績は打率が.157、本塁打は0で5打点という低空飛行が続いている。
渡米1年目の昨季も打率1割台(.191)ではあったが、51試合で8本塁打を記録。出塁率も3割を超えていた。
また、守備では本職の左翼以外に三塁でも起用されるなど、数字以上にチーム内では評価をされていた。
しかし、今季は自慢の長打も二塁打が3本あるだけで、出塁率も.234と冴えない。
今季は指名打者と一塁がほぼ半々で、守備での貢献度も皆無という状態だ。
このポジションでは当然、長打が期待されるところではあるのだが、単打すらなかなか出ないのが現状…。
2年契約の2年目、勝負の年として臨んだ今季。このままでは負傷者リスト(IL)入りしている崔志万の復帰を待たずしてマイナー降格、もしくは戦力外の可能性まであるだろう。
メジャー復帰が近い秋山も…
もう一人の日本人野手、レッズの秋山翔吾にも厳しい現実が待ち受けている。
筒香と同じ、今季がメジャー2年目という日本が誇る安打製造機も、昨季は打率.245と苦しいシーズンを送った。
活躍を期して臨んだ今季は、オープン戦で左太もも裏を痛め、ILで開幕を迎えた。今月に入ってようやくマイナーの試合に出場。数日以内にメジャー合流する可能性も取り沙汰されている。
ただし、レッズ打線は目下絶好調。メジャー最多の151得点を挙げている。特に好調なのが、レギュラーを務める外野手3人。チーム43本塁打のうち、約半数の21本をこの3人が放っているのだ。
また、秋山と出場機会を争うことになるのが控え外野手のニック・センゼル。打率.243、本塁打1と調子は上がっていないが、もともと16年のドラフト全体2位で指名された逸材だ。
仮に秋山が昇格を果たしても、スタメンどころか出場の機会は代打や代走・守備固めが中心になる可能性が高い。
昨季は特例措置でナ・リーグでもDH制が敷かれたが、今季はそれもない。限られたチャンスで走攻守をアピールしていくしかないだろう。
現状、大谷の活躍だけが目立つ日本人打者。
猶予がない筒香には一刻も早い巻き返しを、復帰間近の秋山には西武時代のような安打量産に期待したい。
文=八木遊(やぎ・ゆう)