独自に「19人」をリストアップ!
6月29日に開幕する『社会人野球日本選手権』。
東京五輪が開催される影響で、例年の秋から夏前に開催時期が変更となっている。
昨年はコロナ禍で中止となったため、実に2年ぶりの開催となる。
プロアマ野球研究所では、日本選手権に出場するドラフト候補について2回にわたって紹介したい。
今回は投手編だ。
広畑敦也が注目度No.1
投手で最大の注目選手と言えば、やはり広畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ)になるだろう。
昨年の都市対抗では、開幕試合で前年優勝チームであるJFE東日本を相手に1失点完投勝利。続くセガサミー戦では、リリーフで3回1/3をパーフェクトと圧巻のピッチングを見せて、大会の新人賞にあたる若獅子賞を受賞した。
ストレートの最速はJFE東日本戦で154キロ、セガサミー戦で153キロをそれぞれマークした。
ドラフト指名解禁となる今年も、シーズン開幕を告げるスポニチ大会ではリリーフとしてフル回転。チームの優勝に大きく貢献し、MVPに選ばれている。
ストレートはコンスタントに150キロ前後をマーク。スライダーやカットボール、スプリットなど決め球となる変化球のレベルが高く、これらのボールを操るコントロールも見事だ。
即戦力という意味では、今年の候補の中でもNo.1と言える存在。日本選手権でも多くのスカウトの視線を集めることになるだろう。
大学卒2年目の注目選手は…?
続いて、広畑と同じ大学卒2年目の注目投手を見ていこう。
プロから人気を集めそうな選手は、唯一のサウスポーである森翔平(三菱重工West)か。
本格化したのは大学4年秋から。社会人では1年目から主戦に定着した。少しリズムが単調で合わせられやすいというのは課題だが、悪い癖のないフォームでサウスポーらしい角度がある。
コントロールも決して悪くない。昨年の都市対抗(※NTT西日本の補強選手で出場)では、2回戦で先発を任されながら、2回途中で降板という苦しいマウンドになった。日本選手権では、そのリベンジを狙いたい。
総合力の高さでは鈴木大貴(TDK)と横山楓(セガサミー)、吉村貢司郎(東芝)が続いている。
鈴木は変則フォームのスリークォーターから投げ込む最速154キロのストレートが武器の本格派。変化球主体の投球ができる器用さもある。
春先のスポニチ大会では、走者を背負った場面で球威が落ちるのが気になったが、そのあたりをどう改善できるかに注目だ。
横山は、昨年の都市対抗では出番がなかったが、今年はフォームの躍動感が一気にアップ。ストレートも150キロを超えるまでに成長を遂げた。
元々ピッチングの上手さがあり、先発でもリリーフでも力を発揮できるという長所もある。
一方、吉村は昨年の都市対抗で最速152キロをマークして、プロの注目を集めた本格派右腕。変化球のレベルも高いだけに、打者を打ちとる投球術をどこまで見せられるかが重要になりそうだ。
リリーフタイプでは、松本賢人(バイタルネット)や柴田大地(日本通運)、八木彬(三菱自動車West)などが候補となる。
なかでも柴田は、大学時代に故障で全く実績がないにもかかわらず、強豪チームに進んだポテンシャルの高さが注目されている。今年はリリーフで150キロを楽に超えるスピードをマーク。初の大舞台でどんなピッチングを見せてくれるか楽しみだ。
大学卒2年目の投手では、このほかにも稲毛田渉(NTT東日本)や清水蓮(ヤマハ)、浦本千広(日本製鉄東海REX)などにも注目だ。
高校卒3年目の注目選手は…?
高校卒3年目の若手では、佐藤開陸(TDK)と米倉貫太(Honda)が候補となる。
佐藤は165センチと小柄だが、テンポ良く内角を強気に攻める投球が持ち味。スピードは140キロ台中盤をマークし、上背の無さが気にならない。
米倉は高校時代から大器と評判の右腕。昨年の都市対抗では151キロをマークし、春先のスポニチ大会でも好投したが、その後は目立った活躍を見せていない。
実績を考えても一発勝負の大舞台で起用される可能性は高くないが、スケールの大きさは抜群。登板機会があれば、その成長ぶりをアピールしたいところだ。
また、既にドラフト指名解禁済の選手も忘れてはならない。
なかでも注目を集めそうなのが、小木田敦也(TDK)や小野大夏(Honda)、相馬和磨(日本通運)、嘉陽宗一郎(トヨタ自動車)、大江克哉(NTT西日本)、高椋俊平(西部ガス)といったところ。
指名解禁の年を逃すと一気にプロ入りの確率は低くなる傾向になるとはいえ、昨年のドラフトでは大卒6年目の阿部翔太がオリックスに6位で指名されている。
指名解禁済の選手も、日本選手権の活躍次第ではまだまだチャンスは残されている。
☆記事提供:プロアマ野球研究所