前半戦は60本ペースで終了
メジャーリーグは現地時間13日(日本時間12日)にオールスターゲームを終え、同15日からはいよいよ後半戦が始まる(エンゼルスは同16日から)。
そんなメジャーリーグで前半戦の話題を総ざらいしたのが33本塁打を放ったエンゼルスの大谷翔平だろう。すでに松井秀喜さんが保持していた日本人選手のシーズン最多本塁打記録を更新。今季前半戦で30本塁打を超えたのも両リーグで大谷ただひとりだ。当然、ア・リーグ本塁打王の大本命といっていいだろう。
チーム89試合終了時点で33本塁打を放った大谷だが、この前半戦のペースを後半戦も維持できれば、シーズン終了時点では、ちょうど60本塁打に達することになる。
長いメジャーリーグの歴史の中でも、シーズン60本塁打以上を記録した選手は過去に5人だけ(バリー・ボンズ、マーク・マグワイア、サミー・ソーサ、ベーブ・ルース、ロジャー・マリス)。大谷は偉大な長距離打者の仲間入りを果たそうとしている。
そんな大谷の今季月別本塁打数を見てみると、6月以降に急激にペースを上げていることが分かる。
【大谷翔平月別本塁打数、2021年】
4月 8本塁打(24試合)
5月 7本塁打(30試合)
6月 13本塁打(26試合)
7月 5本塁打(9試合)
※()内はチーム試合数
4月は3試合に1本、5月は4試合に約1本のペースでアーチを重ねてきた大谷。6月に入ると、一気に量産態勢に入り、2試合に1本ペースに。7月もチーム9試合で5本塁打を放った。
非現実的かもしれないが、もし大谷が35試合で18本という6月以降のペースを後半戦も維持することができれば--。計算上は71本塁打に達することになる。
後半戦も引き続き投手としても登板し、適度に休養も与えられるだろう。蓄積疲労からスランプに陥る可能性も当然考えられる。6月以降の本塁打ペースを維持することは、普通に考えれば、非現実的だ。
しかし、大谷は日本ハム時代から再三にわたり、「漫画でも無理」と思われるようなことを実現してきている。当の本人にとって、個人記録など眼中にもないかもしれないが、だからこそあっさり達成してしまう可能性だってある。
もし大谷が70本塁打に到達すれば、バリー・ボンズ(2001年、73本塁打)とマーク・マグワイア(1998年、70本塁打)に次いで史上3人目の偉業となるが……。
後半戦の残り73試合、大谷は何をやってのけるのだろうか。
文=八木遊(やぎ・ゆう)