コラム 2021.08.24. 21:00

オリックス・宮城大弥が「高卒ドラ1左腕」のジンクス跳ね除ける大活躍

無断転載禁止
10勝目を挙げ、笑顔でポーズをとるオリックス・宮城

オリックス躍進の立役者になった若き左腕投手


 首位を走るオリックスの立役者となっている選手のひとりが、今季2年目となる宮城大弥だ。

 開幕から先発ローテーション入りを果たすと、多彩な変化球と年齢を感じさせない老獪な投球術で打者を翻弄。8月14日には桑田真澄以来、34年ぶりとなる10代投手によるリーグ最速の10勝目をマークし、続く8月21日にはハーラートップの11勝目を飾るなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いである。

 宮城は2年前のドラフト会議でオリックスから1位指名を受けたが、当時は佐々木朗希(大船渡→ロッテ)や奥川恭伸(星稜→ヤクルト)といった本格派右腕が人気を集めていた。しかし、蓋を開けてみればこの世代で最初に飛躍したのは宮城だった。歴史的に見ても、プロで大成しにくいと言われている高卒左腕ゆえに、この活躍は目を見張るものがある。


約5分の1が一軍登板なしのまま引退


 ここで調べてみたのは、1989年(平成元年)以降、ドラフト1位で入団した高卒左腕投手の通算成績。該当したのは宮城を含めて26名いた。
※チーム名は当時のもの、現役選手の通算成績は2021年8月22日現在のもの
※カッコ内はドラフト年
※☆マークは甲子園優勝投手

<1990年代:8投手>
・石井一久(ヤクルト/1991年)
通算成績:524試合登板 181勝139敗4S 防3.80(日米通算22年)

・安達智次郎(阪神/1992年)
通算成績:一軍登板なし(NPB通算7年)

・嘉勢敏弘(オリックス/1994年)
通算成績:136試合登板 3勝7敗 防4.84(NPB通算10年)
野手通算成績:272試合 打率.135 0本塁打 9打点 2盗塁

・前川勝彦(近鉄/1996年)
通算成績:149試合 登板31勝45敗1H 防5.26(NPB通算10年)

・伊藤彰(ヤクルト/1996年)
通算成績:一軍登板なし(NPB通算4年)

・川口知哉(オリックス/1997年)
通算成績:9試合登板 0勝1敗 防3.75(NPB通算7年)

・正田樹(日本ハム/1999年)☆
通算成績:123試合登板 25勝38敗5H 防4.70(NPB通算11年)

・河内貴哉(広島/1999年)
通算成績:166試合登板 16勝28敗23H 防5.06(NPB通算16年)


<2000年代:11投手>
・高井雄平(ヤクルト/2002年)
通算成績:144試合登板 18勝19敗1S17H 防4.96
野手通算成績:968試合 打率.291 66本塁打 386打点 41盗塁(NPB通算19年目・現役)

・柳田将利(ロッテ/2005年)
通算成績:一軍登板なし(NPB通算3年)

・片山博視(楽天/2005年)
通算成績:206試合登板 8勝16敗48H 防3.13(NPB通算12年)

・村中恭兵(ヤクルト/2005年)
通算成績:199試合登板 46勝55敗6H 防4.30(NPB通算14年)

・辻内崇伸(巨人/2005年)
通算成績:一軍登板なし(NPB通算8年)

・吉川光夫(日本ハム/2006年)
通算成績:219試合登板 55勝70敗3S3H 防3.96(NPB通算15年目・現役)

・田中健二朗(横浜/2007年)☆
通算成績:208試合登板 11勝13敗1S50H 防3.86(NPB通算14年目・現役)

・中崎雄太(西武/2008年)
通算成績:15試合登板 0勝0敗 防8.04(NPB通算8年)

・赤川克紀(ヤクルト/2009年)
通算成績:76試合登板 14勝20敗 防4.17(NPB通算7年)

・岡田俊哉(中日/2009年)
通算成績:335試合登板 19勝20敗19S62H 防3.40(NPB通算12年目・現役)

・菊池雄星(西武/2009年)
通算成績:222試合登板 88勝68敗1S 防3.32(日米通算12年目・現役)


<2010年代:7投手>
・松本竜也(巨人/2011年)
通算成績:一軍登板なし(NPB通算4年)

・森雄大(楽天/2012年)
通算成績:28試合登板 3勝6敗 防4.58(NPB通算9年目・現役)

・松井裕樹(楽天/2013年)
通算成績:389試合登板 22勝40敗165S61H 防2.53(NPB通算8年目・現役)

・小笠原慎之介(中日/2015年)☆
通算成績:82試合登板 22勝30敗 防3.96(NPB通算6年目・現役)

・寺島成輝(ヤクルト/2016年)
通算成績:36試合登板 1勝1敗3H 防4.37(NPB通算5年目・現役)

・堀瑞輝(日本ハム/2016年)
通算成績:151試合登板 10勝10敗3S51H 防4.36(NPB通算5年目・現役)

・宮城大弥(オリックス/2019年)
通算成績:19試合登板 12勝2敗 防2.26(NPB通算2年目・現役)

 通算50勝を挙げた投手が3人出ているが、一方で一軍登板がないままキャリアを閉じた選手も5人いるなど、当たり外れが大きい印象。そもそもドラフト会議がはじまった1965年以降、通算100勝以上を挙げた高卒ドラ1の左腕投手は江夏豊(1966年/阪神)と石井一久(1991年/ヤクルト)のたったふたりだけである。

 一方で、近年目立つのがリリーフとして活躍する投手。2013年のドラフト会議で楽天に1巡目指名された松井裕樹は、いまや球界を代表するクローザーに成長し、岡田俊哉、堀瑞輝も侍ジャパンのユニフォームを着てブルペンを担った経験がある。

 急成長を遂げた宮城大弥は、今後どんな投手に成長を遂げるのだろうか。おおいに注目していきたい。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)

【PR】オリックス・バファローズを観戦するなら「DAZN Baseball」

今季リーグ4連覇と日本一奪還を目指すオリックス。エースの山本由伸が抜けた穴を埋めるのは宮城大弥か山下舜平大か先発陣の活躍に注目!

「DAZN Baseball」とは、月額2,300円(税込)でDAZNのプロ野球コンテンツをすべて楽しめるプランです(月々払いの年間プランのみ)。

プロ野球だけを楽しみたい方は、月額4,200円(税込)のDAZN Standard​よりも1,900円お得に視聴できます。

POINT

ペナントシリーズ、交流戦、CSまで余さず堪能できる!

② オフシーズンもドキュメンタリーやバズリプレイなどコンテンツが充実!

毎月2,300円でライブ配信・見逃し配信・ハイライトまで視聴可能!

【PR】「DMM×DAZNホーダイ」でプロ野球を観よう!

「DMM×DAZNホーダイ」とは、DMMプレミアムとDAZN Standardをセットで利用できるプラン。

単体契約ならDMMプレミアム月額550円(税込)、DAZN Standard月額4,200円(税込)のところ、本プランなら月額3,480円(税込)だからとってもお得です。

POINT

① 「DMM×DAZNホーダイ」なら単体契約より月額1,270円(税込)も安い!

② DAZNだけの契約と比較しても月額720円(税込)お得に楽しめる!

③ 新規入会月から最大3カ月間、「DMMポイント」を550ポイント付与!

ポスト シェア 送る

もっと読む

  • ALL
  • De
  • 西