コラム 2021.09.15. 15:59

打率と盗塁でMLBトップの成績なのに…“無冠”が確定しているマルテが奮闘中

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アスレチックスのスターリング・マルテ

個人タイトル争いも激化!


 9月中旬を迎え、メジャーリーグのプレーオフ争いも佳境に入ってきた。

 それと同時に熱を帯びているのが、個人タイトルを巡る争いだ。




 中でも日本で注目を集めているのが、大谷翔平(エンゼルス)とウラジーミル・ゲレロJr.(ブルージェイズ)、そしてサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)が火花を散らすア・リーグの本塁打王争いだろう。現地時間14日の試合を終えて、ゲレロが45本でトップを走り、それを大谷が44本、ペレスが43本と1本差で追う展開となっている。

 激戦となっているのは、両リーグの首位打者争いも同じだ。ア・リーグはゲレロが.3155で本塁打とともに打率でも先頭を走っているが、2位のマイケル・ブラントリー(アストロズ)がわずか“5毛”の差で追撃中。さらに3位のユリエスキ・グリエル(アストロズ)も.314と続いており、二冠を目指すゲレロにアストロズ勢が迫っている。

 また、一方のナ・リーグもトレー・ターナー(ドジャース)が.318でトップに立っているが、ここもニック・カステラノス(レッズ)が.314で2番手、フアン・ソト(ナショナルズ)も.313でその次と、こちらも独走を許しておらず、最後の最後まで目が離せない争いが続きそうだ。



メジャートップの打率ながらタイトルレースから除外?


 そんな中、今回注目したいのが、本来であればいるはずの首位打者争いで「蚊帳の外」にいる男…。今季の打率が.322を誇るスターリング・マルテ(アスレチックス)である。

 今季はここまで104試合に出場。打席数は455なので規定打席も満たしており、公式サイト『MLB.com』の「STATS」から打率でソートをかけると、メジャー全体で見ても一番上に名前が出てくる選手だ。


 しかし、両リーグで唯一.320台の打率を残しながら、マルテが今季の首位打者に輝くことはない。

 なぜなら、マルテは7月下旬にマーリンズからアスレチックスへ、リーグをまたぐ移籍をしているからだ。


 移籍前のマーリンズでは打率.305。低迷するチームの中で孤軍奮闘と言えるはたらきを見せていた。

 ところが、トレード期限を前にプレーオフを争うアスレチックスへと移籍。自身初となったア・リーグの舞台で、男は1カ月半の間に.345というハイアベレージを残し、新天地でも主軸の一人としてチームに貢献している。

 ということで、今季成績「.322」(※現地14日時点)は両リーグをまたいでの成績。マルテはこのままメジャー全体トップの打率でシーズンを終えても、首位打者に輝く可能性はゼロというわけだ。

 もしマルテの移籍先がナ・リーグのチームで、同様の成績を残していたら、今ごろは首位打者争いをリードする存在だった。しかし、こればかりはマルテにはどうすることもできない。


足でも魅せているマルテ


 実はこのマルテ、両リーグでトップを誇るのは打率だけではない。

 マーリンズで22盗塁に加え、アスレチックスでも23盗塁。合計45盗塁は、ウィット・メリーフィールド(ロイヤルズ)の40盗塁をおさえてこちらもメジャー全体トップの数字である。


 ちなみに、リーグをまたいでの移籍によって、タイトルを逃したという選手は過去にもいる。

 1997年には、あのマーク・マグワイア(アスレチックス→カージナルス)が両リーグ最多の58本塁打を放っているが、自身2度目の本塁打王とはならず。

 それでも、マグワイアは翌年に70本塁打を放って当時のシーズン新記録を樹立。さらに2年後にも本塁打王に輝くなど、リベンジを果たしている。


 来月に33歳を迎えるマルテは、これまで主要タイトルとは無縁…。

 今季の“無冠”も確定的だが、せめて自身5度目となるプレーオフは経験しておきたいところ。アスレチックスをより高みへと導くような大暴れに期待がかかる。


文=八木遊(やぎ・ゆう)



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