最終日まで大激戦!
2021年のメジャーリーグはレギュラーシーズンの全日程が終了。
現地時間5日、日本時間のあすからポストシーズンが開幕する。
各チームの「162試合目」となった3日。特にア・リーグは、多くのチームが可能性を残した状態で最終戦を迎えていた。
結局、ヤンキースとレッドソックスが勝利を収め、その時点で両チームのポストシーズン進出が確定。ワイルドカードゲームが“ライバル対決”に決まった。
一方、1ゲーム差で2チームを追っていたブルージェイズとマリナーズは、ポストシーズン進出の夢が霧散した格好に。なかでもマリナーズの奮闘は大方の予想を裏切るサプライズで、Tモバイル・パークはレギュラーシーズン最終日まで熱狂に包まれていた。
20年連続でポストシーズン進出ならず…
2年前は68勝94敗、短縮シーズンだった昨年も27勝33敗と2年連続で負け越していたマリナーズ。
それが今季はオフに若返りを図って成績悪化は免れないだろうと見られていた中で、90勝72敗と大きく持ち直してみせた。惜しくもポストシーズンに進むことは叶わなかったが、この成績は大健闘と言える。
特に9月下旬以降の追い上げは凄まじかった。
9月19日から29日までの11日間で10勝1敗。もしも最後のエンゼルス3連戦をスイープしていれば、レッドソックスとヤンキースに勝率で並んでいたのだが、最後の最後で勝負弱さを露呈。3連戦の初戦を逆転で落とすと、競り勝った2戦目を挟み、最終戦では大谷翔平に一発を浴びて完敗…。これでマリナーズがポストシーズンを逃すのは20年連続のことだ。
イチロー氏が渡米1年目だった2001年が最後の大舞台。ご存知の方も多いと思うが、この「20年」というのはメジャー最長である。
ちなみに、次に遠ざかっているフィリーズが「10年」なので、いかにマリナーズの苦戦が長期に渡っているかが分かるだろう。
ほかのスポーツと比較しても…?
▼ 連続“ポストシーズン逸”年数ランキング
1位 20年 マリナーズ(2001年)
2位 10年 フィリーズ(2011年)
3位 7年 タイガース(2014年)
3位 7年 エンゼルス(2014年)
5位 6年 パイレーツ(2015年)
5位 6年 ロイヤルズ(2015年)
※()内は最後にポストシーズンに進出した年
上記の表からも、メジャー全30チームのうち、24チームが過去5年に1度はポストシーズンを経験していることが分かる。マリナーズの20年連続という記録は、暗黒期以外の何物でもない。
ちなみに、他の北米4大プロスポーツリーグ(NFL・NBA・NHL)を見渡しても、マリナーズの20年連続がやはりワースト。次に長いのがNBAのサクラメント・キングスで15年、NFLのニューヨーク・ジェッツとNHLのバッファロー・セイバーズがともに10年連続となっている。
それでも、今季のマリナーズは若手中心での戦いながら、予想をはるかに超える躍進を見せたのは間違いない。
シーズン終盤の粘りと、最後に味わった悔しさを糧に、来季こそこの不名誉な記録を終焉させたいところだ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)