コラム 2021.11.20. 07:44

最速150キロ超右腕も…明治神宮大会に出場する大学生のドラフト候補

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明治神宮大会で注目すべき大学生は…?[写真提供=プロアマ野球研究所]

日本シリーズと同日に開幕!


 日本シリーズと同日、11月20日(土)に開幕する明治神宮野球大会。

 昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったため、2年ぶりの開催となる。




 高校の部は、来年3月に開かれる選抜高校野球の前哨戦。大学の部は、4年生を含めたチームの総決算という意味合いが強い。そして、来年のドラフト対象選手にとっては大きなアピールの場である。

 プロアマ野球研究所では、今大会で特に注目される2022年のドラフト候補を紹介していきたい。

 今回は大学生編だ。



神奈川大・神野竜速が最注目


 大学生を見ると、現時点でドラフトの上位候補と太鼓判を押せる投手はいないという印象。だが、わずかながら他の投手をリードしている存在と言えば、神野竜速(神奈川大)だろう。

 西武台千葉時代から千葉県内では評判の本格派右腕で、神奈川大進学後も1年春からリーグ戦に登板。今年からエース格となると、春のリーグ戦で4勝をマーク。ベストナインと最優秀投手のタイトルを獲得した。

 明治神宮大会出場をかけた横浜市長杯・準々決勝の創価大戦では、6回途中5失点で降板するも、決勝の中央学院大戦では、リリーフとして4回をノーヒット、6奪三振の好投を見せて、復調ぶりをアピールしている。

 やや調子の波はあるとはいえ、好調時の150キロを超えるストレートは数字に見合う勢いがある。打者の手元で変化するスライダー、フォークは空振りを奪えるボールで、奪三振率の高さが魅力だ。


九州産業大・渡辺翔太は最速151キロ


 スピードでその神野と並ぶ存在と言えるのが、最速151キロ右腕の渡辺翔太(九州産業大)だ。

 層の厚いチームの中で1年の春から投手陣の一角に定着すると、今年は春のリーグ戦で5勝0敗。秋のリーグ戦でも4勝0敗と圧倒的な成績を残し、2季連続でベストナインに輝いた。

 少し上下動が大きいフォームだが、躍動感は十分。特に、高めのボールは勢いがある。ストレートと同じ軌道から小さく滑るカットボールと、ブレーキのあるパームボールも面白い。

 6月の大学選手権では、初戦で和歌山大に10回タイブレークの末に敗れただけに、雪辱を期す思いも強いだろう。


安定感No.1は佛教大・木村光


 一方、リーグ戦での安定感では、木村光(佛教大)がNo.1と言える。

 今年は春・秋連続でベストナインに輝き、秋のリーグ戦終了時点の通算防御率は0点台。さらに、リーグ戦後に行われた関西地区大学野球選手権でも関西大や天理大といったところを相手に見事なピッチングを見せていて、チームの第1代表獲得に大きく貢献した。

 身長は173センチと上背はないものの、ストレートはコンスタントに140キロ台中盤をマーク。両サイドを突くコントロールも一級品だ。身体的なスケールでは神野や渡辺に劣るものの、試合を作る能力の高さは上回っている。


 このほか、伊藤茉央(東農大北海道オホーツク)や増居翔太(慶応大)、生井惇己(慶応大)、橋本達弥(慶応大)、川合勇気(神奈川大)、荒木雅玖(九州産業大)といった面々も注目を集めている。


野手の注目選手は…?


 野手では、土井克也(神奈川大)や石伊雄太(近大工学部)、下山悠介(慶応大)などが候補となる。

 土井は強打が魅力の捕手。下級生の頃から指名打者として中軸を打ち、今年からは正捕手に定着した。

 横浜市長杯準決勝の上武大戦では、明治神宮大会出場を決めるサヨナラ2ランを放つなど、その長打力を十分に見せつけた。スローイングの確実性は少し課題だが、地肩の強さは申し分ない。


 石伊は対照的にディフェンス型の捕手。イニング間のセカンド送球タイムは1.8秒台をマークし、コントロールも安定している。

 12月3日から始まる大学日本代表候補合宿にも初めて選出されたが、その前の神宮大会でも強肩でアピールしたい。


 下山は、東京六大学を代表する強打の三塁手。1年秋からレギュラーとなり、4年生を含めて現役で3位となる通算57安打。インパクトの強いバッティングで広角に鋭い打球を放ち、脚力と安定した守備でも目立つ存在だ。

 プロでは「打てるサード」の人材は不足しており、来年のドラフトでも注目を集めることは間違いないだろう。


☆記事提供:プロアマ野球研究所



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