コラム 2021.12.03. 18:08

「21番秋山として」…阪神・秋山拓巳が語った新背番号への想いと来季への決意

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来季からの背番号変更を発表した阪神・秋山 (C) Kyodo News

「強いタイガースの一員として、21番秋山として」


 自分色に染める──。

 文字にするのは簡単でも、体現するにはリスクも相当な覚悟も伴うはずだ。




 阪神タイガース・秋山拓巳の言葉には少なくとも、その強い「覚悟」がにじんでいた。

 11月29日、球団から背番号変更の発表があり、来季から「21」を付けることが決まった。

 その後、右腕はツイッターを更新。文面に決意が込められていた。



 「46番で3回の2ケタ勝利もあり愛着もありましたが、それ以上にもう一度若い番号をもらえるように!と頑張ってきたので球団の方から話をいただいた時はすごく嬉しくすぐ返事させてもらいました」


 秋山自身、2度目の変更だ。

 入団時に背負った「27」で高卒1年目から4勝をマークし、華々しくデビュー。しかし、2年目以降は伸び悩んだ。

 今季まで付けていた「46」をまとったのは2017年。その年にいきなりキャリアハイの12勝を挙げ飛躍すると、2020年から今季まで2年連続の2ケタ勝利と、今や先発陣に欠かせぬ存在となった。


「体力を求めながら…」


 27番が「暗」とまでは言わないが、46番は秋山拓巳の「明」を象徴するナンバーだ。

 間違いなく愛着もあるだろうし、良い流れのまま来季以降も継続する考えもあった中で、入団以来3つめとなる背番号21で勝負することを決めた。

 今季までの16年間は岩田稔が付けていた番号。先輩には球団の発表前に電話をかけて“継承式”を行ったことを明かし、「自分の番号にしてくれ」と、温かいエールを送られたという。


 「僕が入団した頃から岩田さんが付けていた番号で、僕もこの先、あと何年続くか分からないですけど、21番で最後まで頑張りたいなと思います」

 「岩田の21」を「秋山の21」へ塗り替える挑戦は、13年目を迎える男が大黒柱に登り詰めるまでの道程とピッタリ重なる。

 今季も開幕から故障離脱は一度もせず、調整の難しい中10日以上や、逆に短い間隔での起用にも応えてフル回転。それでも、1試合の最長は7回1/3にとどまり、規定投球回にも到達することができなかった。


 阪神には岩崎優やロベルト・スアレスといった優秀なリリーフ陣が控えていることもあって、早期のスイッチが可能ということもあるが、相手打線が1巡、2巡した試合終盤にピンチを招いて途中降板する場面も何度かあった。ただ、本人はずっと「先発完投」スタイルを理想に掲げてきただけに、決して満足していないだろう。

 オフのテーマについて問われると、「捻転動作をフォームに出したい。柔軟性、可動域を出すトレーニングをしつつ、(打線の)3巡目、4巡目をしっかり抑えられる体力を求めながらやりたい」と、手応えを深めた投球フォームの定着とともに、試合終盤を意識しての課題克服を口にした。


 「生え抜き最年長となり、今まで以上に周りの助け、手本になるように務め、強いタイガースの一員として21番秋山として頑張ります」

 Twitterで示した決意表明はこう締めくくられた。


 チームはレギュラーシーズン2位に終わり、クライマックスシリーズではファイナル初戦での先発に備えていたため、ファーストステージ敗退に伴い、ポストシーズンでは登板機会に恵まれなかった。

 まだ見ぬリーグ優勝、日本一へ…。自分色に染めた「21」が引っ張る。


文=チャリコ遠藤(スポーツニッポン・タイガース担当)



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