外国人選手の活躍が目を引いた日本シリーズ
今季のプロ野球を締めくくる日本シリーズは、ヤクルトがオリックスを下して20年ぶりの日本一に輝いて幕を閉じた。ヤクルトのクローザーとして最後のマウンドに立っていたマクガフの他にもオスナやサンタナ、オリックスならジョーンズが第5戦で勝負を決する一打を放つなど、外国人選手の活躍が目を引いたシリーズであった。
外国人選手は長く「助っ人」とも呼ばれてきたように、その「あたり・はずれ」もゲームの勝敗、ひいてはチームの成績をも大きく左右する。ここで、今季の主な外国人選手の成績を振り返ってみたい。今回はパ・リーグの外国人選手の成績を見ていく。
【主な外国人選手の今季成績/パ・リーグ】
オリックス
<ヒギンス>49登板(46回1/3)1勝2敗28H2S 36奪三振 防御率2.53
<モヤ>
打率.229(354打数81安打)13本塁打 47打点 1盗塁
<ジョーンズ>
打率.234(154打数36安打)4本塁打 23打点 0盗塁
<ロメロ>
打率.169(77打数13安打)3本塁打 9打点 0盗塁
ロッテ
<ハーマン>45登板(43回1/3)1勝1敗24H 38奪三振 防御率5.19
<ロメロ>
4登板(23回1/3)1勝0敗 20奪三振 防御率1.54
<レアード>
打率.262(485打数127安打)29本塁打 95打点 0盗塁
<マーティン>
打率.233(416打数97安打)27本塁打 75打点 4盗塁
<エチェバリア>
打率.203(207打数42安打)4本塁打 24打点 0盗塁
楽天
<宋家豪>63登板(60回2/3)3勝3敗24H7S 49奪三振 防御率2.23
<ブセニッツ>
31登板(29回)1勝0敗4H 23奪三振 防御率4.97
<ディクソン>
打率.167(108打数18安打)4本塁打 15打点 2盗塁
<カスティーヨ>
打率.225(71打数16安打)1本塁打 3打点 0盗塁
ソフトバンク
<マルティネス>21登板(140回2/3)9勝4敗 138奪三振 防御率1.60
<レイ>
6登板(40回)3勝1敗 38奪三振 防御率2.03
<モイネロ>
33登板(31回1/3)1勝0敗14H5S 42奪三振 防御率1.15
<スチュワート・ジュニア>
11登板(23回2/3)0勝2敗1H 36奪三振 防御率6.08
<デスパイネ>
打率.264(261打数69安打)10本塁打 41打点 0盗塁
<グラシアル>
打率.304(138打数42安打)5本塁打 15打点 2盗塁
<バレンティン>
打率.182(55打数10安打)4本塁打 9打点 0盗塁
<アルバレス>
打率.162(37打数6安打)1本塁打 3打点 0盗塁
日本ハム
<バーヘイゲン>20登板(96回)5勝8敗 100奪三振 防御率3.84
<B.ロドリゲス>
47登板(46回)0勝2敗24H3S 34奪三振 防御率2.74
<アーリン>
11登板(38回)2勝3敗 33奪三振 防御率3.32
<王柏融>
打率.242(252打数61安打)9本塁打 48打点 1盗塁
<R.ロドリゲス>
打率.197(122打数24安打)6本塁打 12打点 1盗塁
西武
<ニール>11試合60回 1勝6敗 26奪三振 防御率5.85
<ギャレット>
61試合57回1/3 4勝3敗17H2S 59奪三振 防御率3.77
<ダーモディ>
11試合33回1/3 0勝2敗 22奪三振 防御率5.13
<スパンジェンバーグ>
打率.232(181打数42安打)7本塁打 27打点 3盗塁
上位のチームほど、外国人選手の活躍が目立つ
こうして振り返ってみると、やはり上位のチームの外国人選手の活躍が目を引く。オリックスは外国人選手の数こそ少ないものの、投手ではヒギンスがリーグ2位タイの28ホールドを挙げるなど、見事な活躍を見せた。
また、野手に目を向けると、モヤは打率.229にとどまりながらもチームメートの杉本裕太郎や吉田正尚、T-岡田に次ぐ2桁の13本塁打をマーク。この数字は、パ・リーグの外国人のなかでは3位の数字だ。
ジョーンズも、股関節の違和感や新型コロナウイルスのワクチン接種の副反応などで戦列を離れた時期もあって出場機会は昨季より少なかったものの、代打では打率.429と、ここぞの場面で強烈な存在感を放った。
それ以上に外国人が活躍したといえるのがロッテだろう。特にそろって30本に迫る本塁打を放ったレアード、マーティンの両野手はリーグ屈指の数字を残している。レアードの29本塁打、マーティンの27本塁打は、それぞれリーグ2位、4位の数字で、リーグトップの得点数を誇ったチームをけん引した。ロッテが最後まで優勝争いを演じることができたのも、ふたりの存在があったからといっても過言ではない。
球界では、早くも新外国人入団のニュースが飛び交っている。それこそ、日本ハムや西武など下位に沈んだチームの動きは活発だ。それぞれ、どんな顔ぶれで来季に臨むのか。ペナントレースの行方を左右する大きな要因となり得るだけに注目だ。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)