昨季63打点…キャリアハイは2010年
1995年~1996年以来となるリーグ連覇を目指すオリックス。
25年ぶりVで注目度も上昇し、このオフは例年以上に番組出演やイベント出演が目立った。
その中で今回取り上げたいのが、チーム最古参であるT-岡田の意気込み。
3番・吉田正尚と4番・杉本裕太郎の後ろで構える打者の重要性について語りつつ、「100打点」という具体的な目標も報じられている。
T-岡田のキャリアハイは、本塁打王を獲得した2010年の96打点。12年の時を経て、あの時届かなかった“大台”を目指すわけだが、昨年はチーム3位の63打点。34歳になるシーズンに、前年から「37」の上積みが必要とあって、そのハードルは高い。
昨シーズンのオリックスは5月半ばから、1番・福田周平、2番・宗佑磨、3番・吉田正尚、4番・杉本裕太郎の並びに収まった。
故障などで誰かを欠く試合もあったが、各選手はそれぞれの打順で90試合以上に出場。上位打線はほぼ固定され、「福宗正杉」という愛称もできたほどだ。
ただし、5番はT-岡田が50試合で起用されたのが最多で、固定できたとは言い難い。
T-岡田が目標に掲げる100打点の大台を突破するということは、シーズンを通じて「5番・T-岡田」が機能したということでもあり、これが実現されればチームにとってはこの上なく大きい。
吉田と杉本の存在感が絶大なだけに、第3のスラッガーがハマれば得点能力の大幅アップも見込めるだろう。
日本人100打点は石嶺和彦が最後
オリックスの歴史を振り返ってみると、日本人選手による100打点の壁はかなり高いことが見えてくる。
なんと、1990年の石嶺和彦が106打点を挙げて以降、31年間に渡って誰も到達できていないのだ。日本人打者による100打点到達者が31年間不在なのは、12球団を見渡してもオリックスだけだった。
また、T-岡田は前身球団を含め、球団史上歴代8位となる通算701打点を記録している。
ランキング上位を見ると、名球会入りを果たしている加藤英司(秀司/1027打点)、本塁打王に3度輝いた長池徳士(969打点)、「世界の福本」こと福本豊(884打点)がトップ3にランクイン。
今年、T-岡田が100打点を積み上げることができれば、801打点となり歴代6位に浮上する。外国人選手として初の三冠王に輝いた5位・ブーマー(804打点)の記録にも近づき、球団トップ3へのランクインも夢物語ではなくなってくる。
前身の阪急時代を含めたレジェンドたちが多く名を連ねる主要打撃部門で、オリックス以降に入団した選手としてトップ3に名を連ねるのは、打率部門で首位に立つイチロー(打率.353/2500打数以上)しかいない。それを思えば、T-岡田も球団史に名を残す大きなチャンスだ。
今年2月で34歳という年齢を考えると、結果を残すことができなければ出番を若手に譲らざるを得ないだろう。そうなれば当然、球団記録の更新は難しくなってくる。
いうまでもなく、スタメンで出続けるためには、結果を残しチーム内競争に勝たなければいけない。
「浪速の轟砲」と呼ばれる男にとって、今後の野球人生を賭けた1年が始まろうとしている。