右の長距離砲候補が3人揃って一軍スタート
2月1日のキャンプインが迫り、各球団から春季キャンプのメンバー振り分けが発表されている。
中日も1月20日にメンバーの振り分けを発表。大野雄大、柳裕也、京田陽太といった主力選手たちとともに、ドラフト1位のブライト健太、同2位の鵜飼航丞、そして高卒3年目を迎える2019年のドラフト1位・石川昂弥といった、右の大砲候補たちも北谷組のメンバーに名を連ねた。
昨シーズンの中日は、405得点と69本塁打がいずれもリーグワーストで、それも5位の阪神と136得点、52本もの差をつけられる貧打ぶり。2桁本塁打を放った選手は、チーム最多17本塁打を放ったビシエドと、11本塁打の木下拓哉の2人にとどまった。
投手有利とされるバンテリンドームを本拠地にしているとはいえ、セ・リーグの他5球団は5人以上が2桁本塁打を記録していることもあり、中日打線の迫力不足は一層際立つ。
他球団では佐藤輝明(阪神/24本塁打)、牧秀悟(DeNA/22本塁打)の大卒ルーキー2人や、高卒3年目の林晃汰(広島/10本塁打)も2桁本塁打を記録して昨季ブレイクを果たした。
中日では昨秋のドラフト会議で指名されたブライトや鵜飼、そして高卒3年目を迎える石川昂も彼らに続いてブレークしてほしい存在だろう。とはいえ、まだ一軍での実績がなく、今春のキャンプやオープン戦でアピールする立場。まずは開幕一軍入りを現実的な目標に据え、チーム内競争に挑むことになりそうだ。
あまりに少ない…入団3年目までの2桁本塁打
中日の若手選手による本塁打は、他の球団と比べてみてもかなり少ない。
ナゴヤドーム(現バンテリンドーム)が開場した1994年以降、中日で入団3年目までに2桁本塁打をマークした選手は、1998年のドラフト1位・福留孝介ただ1人。福留はルーキーイヤーの1999年に16本塁打を放ち、メジャー移籍する前年の2007年まで9年連続で2桁本塁打を記録しているが、それ以降はひとりも誕生していないのである。
ナゴヤドーム開場後&ドラフト入団3年目以内という条件でセ・リーグの他球団を振り返ってみると、巨人は初年度から19本塁打を記録した高橋由伸ら7人が2桁本塁打を記録しており、広島も巨人と並んでリーグ最多タイ。ヤクルトと阪神は4人、DeNAは昨年22本塁打を放った牧が3人目の達成者だった。
レギュラーシーズンの半分を本拠地で戦うことを考えれば、他球団と単純に比較することも酷だが、中日は28年間で福留ひとりというのも寂しい話。昨秋のドラフト会議でブライトと鵜飼を獲得した背景には、近年指摘され続けてきた長打力不足を解消する意図もあっただろう。
今年の中日は立浪和義監督が就任し、例年以上に注目を浴びることは間違いない。そんな節目のシーズンで、期待のスラッガー候補生たちは「2桁本塁打」という結果で爪痕を残すことができるだろうか。まずは2月1日から始まる春季キャンプにて、どれだけ打力をアピールできるか注目だ。