昨季規定打席到達の2選手が不在
2月12日、ロッテ・藤原恭大の出遅れが報じられた。1月に新型コロナウイルスに感染した藤原は、その影響はないとのことだが、古傷もある左肩の状態に不安があり、今後も春季キャンプでは二軍にあたるB組で調整を続けることになるようだ。
ロッテの外野手では、他に荻野貴司も新型コロナウイルスの陽性判定を受けたことが2月8日に発表され、まだ来日していないレオネス・マーティンはオープン戦に入った3月上旬に合流予定とのこと。2021年シーズン終盤のレギュラー外野手たちの一軍合流が不透明な状況となっている。
もちろん、チームとしては痛いところだが、当然ながら他の選手たちにとってはチャンスといえる。ここで、ロッテのレギュラー外野手の座を争う選手たちの2021年成績を振り返ってみる。
【2021年ロッテ外野手成績】
※外野手として先発出場した選手
※年齢は2月14日時点
▼ レオネス・マーティン(33歳)
116試合 打率.233(416-97)
27本塁打 75打点 4盗塁 OPS.855
▼ 荻野貴司(36歳)
143試合 打率.296(570-169)
10本塁打 45打点 24盗塁 OPS.791
▼ 藤原恭大(21歳)
78試合 打率.217(217-47)
5本塁打 22打点 7盗塁 OPS.651
▼ 角中勝也(34歳)
107試合 打率.244(275-67)
0本塁打 29打点 1盗塁 OPS.663
▼ 福田秀平(33歳)
4試合 打率.083(12-1)
0本塁打 2打点 1盗塁 OPS.321
▼ 岡大海(30歳)
110試合 打率.242(161-39)
6本塁打 18打点 11盗塁 OPS.714
▼ 菅野剛士(28歳)
33試合 打率.194(67-13)
2本塁打 5打点 1盗塁 OPS.604
▼ 髙部瑛斗(24歳)
33試合 打率.145(55-8)
1本塁打 6打点 4盗塁 OPS.460
▼ 和田康士朗(23歳)
96試合 打率.263(19-5)
0本塁打 1打点 24盗塁 OPS.732
▼ 山口航輝(21歳)
78試合 打率.207(203-42)
9本塁打 20打点 0盗塁 OPS.658
外野レギュラー争いがチーム力の底上げに
ロッテには荻野、藤原、マーティンの他、角中勝也、福田秀平、岡大海など、これまでに一定の実績を残してきた外野手も少なくない。ただ、彼らは揃って30代に突入しており、ポジションを取って代わる若手の台頭を期待したいところだろう。
強いチームというのは、うまく世代交代を進めつつチーム力を保つもの。和田康士朗、山口航輝、髙部瑛斗ら20代前半の若手は、荻野らが不在の間にその力をアピールしなければならない。
2021年シーズンも、開幕からまったく調子が上がらなかった藤原が4月下旬から7月に入るまで長く一軍から離れていたが、結局、レギュラーの座を奪うような若手は出てこなかった。
特に昨季24盗塁をマークし盗塁王のタイトルを獲得した和田は、大きな期待を寄せられている若手選手のひとりだろう。ウィークポイントはずばり打撃力。出場機会の多くが代走や守備固めであり、与えられた打席は24にとどまった。リーグトップの走力に打撃力もついてくれば、それこそレギュラーの座が見えててくる。
そして、和田ら若手外野手がレギュラー争いに加わることが、チーム力の底上げにつながり、悲願のレギュラーシーズン1位に近づく原動力となるはずだ。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)