すでに4人がレギュラー獲得
開幕から1カ月が経過したプロ野球では、今年もルーキーの活躍が話題に。巨人のドラフト1位ルーキー・大勢はリーグトップを独走する11セーブを挙げるなど、いきなり主力級の活躍を見せる選手も出てきている。
そんな中、新人選手の活躍が目立つのはプロ野球だけではない。大学球界でも、この4月に入学した多くの選手が見事なプレーを見せている。そこで今回は、大学球界で存在感を発揮する有望株のルーキーにスポットライトを当てたい。
大学球界で屈指のレベルを誇る東都大学野球。昨年は佐々木泰(青山学院大/2年)がいきなり4本の本塁打を放って注目を集めたが、今年も1年生が躍動している。
野手では、既に小田康一郎(中京高→青山学院大)や皆川岳飛(前橋育英高→中央大)、繁永晟(大阪桐蔭高→中央大)、星憂芽(日大三高→日本大)の4人がレギュラーに定着しているほか、他にもスタメンで起用された選手も非常に多い。
そのなかでも、小野は打撃技術の高さが際立っている。中京高時代は入学直後からレギュラーをつかみ、1年夏はチームの甲子園4強進出に大きな役割を果たした。たくましい体格を生かしたパンチ力があるバッティングで、リーグ戦で高い打率をマークしている。
皆川はスケールの大きさが光る。柔らかくフォローの大きいスイングでセンターを中心に鋭い当たりを放ち、5番を任されることも多い。4月27日終了時点でまだホームランは出ていないものの、近いうちに一発が出そうな雰囲気は十分だ。
繁永と星はミート力が抜群で、リードオフマンとしてチームを牽引している。これらの4選手はベストナイン争いに加わる実力を兼ね備えるといえるだろう。
亜細亜大の2投手に高い注目
投手では、亜細亜大の斉藤汰直(武庫荘総合高)と山城京平(興南高)が頭角を現した。
まずは斉藤。神宮での初登板となった4月13日の国学院大戦で、最速149キロのストレートを武器に1回を三者三振と圧倒的なピッチングを見せてくれた。コントロールには少し課題が残る一方で、ストレートと変化球のレベルが素晴らしい。順調に成長すれば、来年以降のエース候補となる可能性は大だ。
山城は亜細亜大が3季ぶりの優勝を決めた4月27日の試合で、リリーフとして2回を4奪三振パーフェクトの好投。ストレートの最速は150キロをマークしている。貴重な本格派サウスポーとして、今後も高い注目を集めそうだ。
このほか、本多峻也(東海大菅生高→亜細亜大)や三奈木亜星(浦和学院高→中央大)などがポテンシャルの高さを感じるピッチングを見せてくれた。
三奈木はリリーフながら早くも初勝利を挙げている。
六大学で“史上初”の快挙
伝統と高い人気を誇る東京六大学では、瀬千皓(天理高→明治大)が鮮烈なデビューを飾った。
4月16日・東京大戦での初打席。いきなりレフトスタンドへの2ランを放ってみせたのだ。
日刊スポーツ(4月16日配信)によると、1年生が先発出場した試合で初打席初本塁打を打ったのは、長い東京六大学野球の歴史で初めてだという。
瀬はその後の試合でも安打を重ね、既にチームに欠かせない存在となっている。高校1年秋の明治神宮大会では2本の本塁打を放っているが、大学でも神宮の舞台でホームランを量産してほしい。
一方、東京六大学の投手のなかでは伊藤樹(仙台育英高→早稲田大)が、将来の“エース候補”として期待を集めている。
リーグ戦デビューとなった4月23日の明治大戦では、リリーフで1回2/3を投げて無失点、4奪三振の好投を見せた。ストレートの最速は148キロ。躍動感が溢れるフォームとホップするような球筋のボールが魅力で、高校時代と比べて、スケールアップに成功した印象を受けている。早稲田大は投手陣が苦しい状況にあるだけに、近いうちに先発での登板がありそうだ。
このほか、地方リーグでは堀越啓太(花咲徳栄高→東北福祉大)が初登板でいきなり150キロをマークしたほか、稲川竜汰(折尾愛真高→九州共立大)は先発の一角に定着して勝ち星を重ねている。
6月に行われる全日本大学野球選手権で、全国の大学から続々と有望な1年生が登場してくることを期待したい。
☆記事提供:プロアマ野球研究所