歴代記録を大きく更新する可能性も?
5月15日、パ・リーグ首位の楽天が西武に勝利した。
先発した則本昂大は3回に先制を許したものの、7回をその1失点(自責0)に抑えて今季2勝目をマーク。チームの連敗を4でストップした。
楽天の好調ぶりの要因のひとつとして、「失策の少なさ」が挙げられる。
この試合では捕手・太田光の後逸によって失点したものの、チームの失策は0。今季ここまでの楽天の失策数はわずか「6」だ。
リーグ2位のソフトバンクと日本ハムでも18失策だから、その1/3というダントツの数字である。
このままのペースでいくと、今季終了後にはとんでもない記録を残すことになるかもしれない。
シーズン最少失策は2017年のソフトバンクと1991年の西武が記録した「38」。ただし、シーズン試合数はそれぞれ143、130とちがいがあるため、実質的には2017年のソフトバンクの数字が歴代トップである。
その1試合あたりの失策数は「0.27」。対して、36試合を消化して6失策である今季の楽天の1試合あたりの失策数はなんと「0.17」となる。
シーズン143試合に換算すると23失策。2017年のソフトバンクの記録を大きく更新する可能性も高い。
失策の少ないチームは優勝確率が高くなる
一方、セ・リーグに目を向けると巨人の失策数の多さが目立つ。
ここまでの巨人の32失策は12球団ワーストの数字だ。2020年には、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてシーズン試合数は120だったものの、歴代3位となるシーズン43失策でペナントレースを制している巨人。現在リーグ3位にとどまっていることには、失策の多さも少なからず関連しているだろう。
実際、歴代失策数ランキング上位のチームの多くはリーグ優勝を果たしている。
以下は、歴代失策数ベスト4のチームとシーズン順位だ。
▼ 歴代失策数ベスト4
1位:ソフトバンク(2017年)
38失策/シーズン1位
1位:西武(1991年)
38失策/シーズン1位
3位:巨人(2020年)
43失策/シーズン1位
4位:巨人(2021年)
45失策/シーズン3位
4位:中日(2019年)
45失策/シーズン5位
4位:中日(2004年)
45失策/シーズン1位
ランクインした延べ6チームのうち、じつに4チームがシーズン1位となっており、失策が少ないチームがペナントレースを制する確率はやはり高いといえる。
2013年以来、9年ぶりのリーグ優勝に向かってひた走る楽天。今季終了後には、「シーズン1位」という順位とともに、上記のランキングに名を連ねることになるかもしれない。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)