コラム 2022.06.07. 07:08

来秋以降の注目選手も…「全日本大学野球選手権」で見ておくべき下級生

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東北福祉大・堀越啓太 [写真提供=プロアマ野球研究所]

大学野球の頂点を決する戦い


 6月6日に開幕した『第71回全日本大学野球選手権大会』。

 初日は神宮の試合が雨天中止となったが、東京ドームで4試合が開催された。




 文字通り大学野球の頂点を決する大会であり、ドラフト候補となる選手にとっては大きなアピールの場として注目を集める。

 昨年も隅田知一郎(西日本工大→西武1位)やブライト健太(上武大→中日1位)、黒原拓未(関西学院大→広島1位)、椋木蓮(東北福祉大→オリックス1位)、正木智也(慶応大→ソフトバンク2位)などが見事なパフォーマンスを見せ、高い順位でプロ入りを果たした。

 今回はひとつ前のコラムに続いて、来年以降が楽しみな下級生の逸材をピックアップして紹介したい。



初戦から躍動した上田大河


 来年の候補となる3年生の投手で、現時点でも上位候補になる可能性が高そうなのが松本凌人(名城大)・上田大河(大阪商業大)・高太一(大阪商業大)の3人だ。


 松本は昨年の大会初戦で先発を任せられると、見事なピッチングで3安打完封。ストレートの最速は150キロをマークした。

 昨秋は打球を受けた影響で離脱したが、12月の大学日本代表候補合宿でも好投。この春もベストナインと最優秀防御率のタイトルを獲得している。

 変則気味のサイドスローでありながら、スピードだけでなくコントロールが安定しており、長いイニングを投げるスタミナも申し分ない。2年連続となる大舞台での快投に期待だ。


 上田は高校時代から評判の本格派右腕。昨年の大会では短いイニングの登板に終わったが、2試合とも150キロを超えるスピードをマークしてポテンシャルの高さを見せている。

 この春はさらに安定感を増し、リーグ2位となる防御率1.08をマーク。6日の初戦でもリリーフとして5回1/3を無失点に抑える好投を見せ、タイブレークの末の勝利に大きく貢献した。今後のアピールにも期待がかかる。


 そして、この春急浮上してきたのが高だ。

 主にリリーフを任せられているが、12回1/3を投げて16三振を奪い、四球もわずかに1。見事なピッチングでチームの優勝にも大きく貢献した。

 長いリーチを生かした豪快な腕の振りから繰り出すストレートは最速151キロをマークし、アベレージの速さも十分だ。貴重な大型本格派サウスポーとして、早くもプロからの注目度は高い。


1年生に注目投手が多い


 そんな来年の候補以上に、強烈なインパクトを残す可能性を秘めているのが堀越啓太(東北福祉大/1年)だ。

 この春は4試合にリリーフ登板すると、全ての試合で150キロ以上をマーク。5月29日に行われた仙台大との新人戦では終盤の3イニングをパーフェクトに抑えたが、投じたストレート41球全てが150キロを超え、最速は155キロにまで到達したのだ。

 1イニング限定ではなく、これだけ長く150キロ以上のスピードを維持できる投手は大学球界はおろかアマチュア全体でも堀越しかいないだろう。

 コントロールはまだアバウトだが、大勢(巨人)を彷彿とさせるサイドスローで、フォームには躍動感が溢れている。

 今大会でも抑えを任せられる可能性が高く、4年ぶりの優勝を目指すチームのキーマンの1人になるだろう。

 堀越以外にも早くから結果を残している1年生投手は多く、稲川竜汰(九州共立大)・斉藤汰直(亜細亜大)・山城京平(亜細亜大)などのピッチングにも注目だ。


野手の注目選手は…?


 一方、野手で来年の有力候補になりそうな3年生は、進藤勇也(上武大/捕手)・萩原義輝(流通経済大/捕手)・上田希由翔(明治大/内野手)の3人だ。


 進藤は昨年の大会にも正捕手として出場し、4試合で4割を超える高打率をマーク。準決勝の慶応大戦では満塁弾を放ったほか、リーグ戦で4年間一度も盗塁を失敗しなかった渡部遼人(現・オリックス)も見事なスローイングでアウトにするなど、圧倒的な存在感を示した。

 秋は調子を落としていたが、この春は見事に復調。強肩強打の大型捕手として楽しみな存在だ。


 萩原は東海大相模では控え捕手だったものの、大学で攻守ともに大きく成長。スローイングの迫力は進藤に負けてはおらず、昨年秋のリーグ戦後に行われた横浜市長杯で本塁打を放っている。全国的な知名度は高くないが、今大会で一気に評価を上げる可能性もあるだろう。

 上田は層の厚いチームにあって1年秋から中軸を任されている左のスラッガー。この春も3割を大きく超える打率を残し、一塁のベストナインを受賞した。パワーだけでなく柔らかさがあり、左中間にも鋭い当たりを放つ。

 また、大型選手でありながら脚力を備えており、今年は二塁も守るなど複数ポジションをこなせるのも長所だ。万能タイプの強打者として来年は高い注目を集めることになるだろう。


 2年生以下で圧倒的な結果を残しているのが宗山塁(明治大2年/内野手)だ。

 1年秋からショートの定位置をつかむと、2季連続でベストナインを受賞。この春はシーズン途中まで5割以上の打率をマークするなど15試合で24安打を放ち、首位打者にも輝いている。

 体はそれほど大きくないが、安定したスイングでその打撃技術は素晴らしいものがあり、この春3本の本塁打を放っているように長打力も兼ね備えている。また、ショートの守備も堅実でスピードがあり、脚力も高い。このまま順調にいけば、鳥谷敬レベルのショートの目玉候補となることも十分に期待できる。

 リーグ戦では、あまり結果を残していない下級生が突然、大活躍するというのも大学選手権ではよくある。そういう意味でも、ここで名前を挙げた以外の選手の覚醒にも期待したい。


☆記事提供:プロアマ野球研究所



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