巨人投手陣の与四球数は12球団最多
新型コロナウイルス感染症の陽性判定者が続出し、オールスターを挟んで6試合の試合が中止となっていた巨人。
なかなか再始動の体勢が整って来なかった中、1日に開催された臨時の12球団代表者会議にて、2日の阪神戦から試合を再開する方針であることが明らかになった。
5月の下旬ごろまでは順調に首位争いを演じていた巨人だが、交流戦を境に急激に失速。ヤクルトの独走を許してしまっている。
失速の最大の要因は、やはり投手陣の崩壊が一番に挙げられるだろう。月別のチーム防御率を見ても、3・4月は3.11だったのが5月は3.71と数字を落とし、6月は4.99。さらに7月は18試合で5.19とまさに投壊状態で、今季のチーム防御率は12球団唯一の4点台となる4.09まで悪化してしまった。
なかでも目立つのが、与四球の多さ。今季のチーム四球数は300で、この数字も12球団ワースト。与四球181で最少の阪神とは実に100以上もの開きがある。
「四球病」を象徴する試合
7月17日の広島戦は、まさにいまの巨人投手陣を象徴するかのような展開であった。
巨人は広島に10失点を喫し、4-11で敗れた前日に続く連夜の大敗。広島からすれば6安打での10得点ということで「効率よく攻めた」ともいえるが、その中身は巨人投手陣の自滅といえる。
3回までにアダム・ウォーカーと中田翔の2ランで4-0とリードし、連敗脱出へ向けて上々の滑り出しとなった巨人。しかし、続く4回に先発・髙橋優貴が突如乱れる。
秋山翔吾と坂倉将吾の二塁打で1点を返されると、ここから3連続四球の押し出しで失点。すると、髙橋に代わった鍬原拓也が代打・堂林翔太に満塁本塁打を浴びて、あっという間に逆転を許してしまった。
その後も7回に今村信貴が中村健人にソロ本塁打を許すと、8回には菊地大稀が長野久義に四球を与えたあと、磯村嘉孝に2ラン本塁打を被弾。9回にも山本一輝が先頭の矢野雅哉に四球を与えて出塁を許し、秋山に適時打を浴びてしまった。
この日、巨人投手陣が与えた四球は9。失点のほとんどに与四球が絡んでいた。
球界の常套句ではあるが、まさに「四球は安打と同じ」。広島からすると、相手が勝手に自滅してくれたといったところだろう。
与四球はチームが不利になることはもちろん、応援しているファンからしても気持ちが萎えるもの。ファンを楽しませるため、そしてなによりチームのためにも、巨人投手陣には打たれることを恐れないストライクゾーンでの勝負を期待したい。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)