コラム 2022.08.29. 18:09

「傑出度」では歴代トップ? 2位に25本差でHRダービー首位の村上宗隆

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ヤクルト・村上宗隆 (C) Kyodo News

2位にダブルスコア以上の差をつける圧倒的な数字


 セ・リーグ連覇へ向けて、首位をひた走るヤクルト。チームを支えているのは、若き主砲・村上宗隆だ。

 その村上は現在、打率・本塁打・打点の打撃成績主要部門「三冠」であるほか、安打数・塁打数・得点・四球・出塁率・長打率・得点圏打率など、ありとあらゆる打撃指標でリーグトップに立っている。




 ただ、それらの数字のなかでもとくに目を引くのは、やはり本塁打と打点だろう。

 村上の49本塁打は、2位の丸佳浩と岡本和真(ともに巨人)の24本塁打と25本差。120打点も、2位・大山悠輔(阪神)の75打点に大差をつけている。

 今季は開幕間もない頃から、とくにパ・リーグでいわゆる「投高打低」だと指摘されてきたが、村上以外の選手の数字を見ると、リーグを問わずその傾向にあるようだ。現在、3割打者は両リーグ合わせてわずか7人しかいない。そんな状況のなかで、村上の打撃成績は傑出している。



 たしかに、松本剛(日本ハム)の打率や、山川穂高(西武)の本塁打も傑出しているともいえる。現在、松本の打率.350に対して2位・吉田正尚(オリックス)は.311。山川の37本塁打に対して2位・浅村栄斗(楽天)は20本塁打である。

 しかし、村上の本塁打数は2位にダブルスコア以上の差をつける圧倒的な数字であり、完全な「ひとり旅」状態。他の選手からの傑出度という点では、やはり際立っている。


歴代最大差は2011年に中村剛也が残した「23本差」


 投高打低のシーズンというと、飛ばない「統一球」問題が取り沙汰された2011年、2012年を思い起こすファンも多いだろう。

 しかし、そんな打者不利な状況において、今季の村上のようにひとり本塁打を量産したのが中村剛也(西武)だ。


 2011年にパ・リーグ本塁打王となった中村がマークした48本塁打は、松田宣浩(ソフトバンク)の25本塁打に23本差をつけるダントツの数字であった。

 そして、この23本差という数字は、シーズン本塁打の1位と2位におけるプロ野球史上最大差のものだ。


 なお、それに続くのは、1966年のセ・リーグで48本塁打を放った王貞治(巨人)が、2位・長嶋茂雄(巨人)と江藤慎一(中日)の26本塁打に対してつけた22本差である。

 60本塁打というシーズン本塁打のプロ野球記録を残した2013年のバレンティン(ヤクルト)ですら、2位・ブランコ(DeNA)の41本塁打とは19本差どまりであった。


 村上の場合、シーズン終了までまだ27試合残している現時点でも、中村が残した23本差という数字をすでに上回っている。本塁打を放つペースを丸や岡本らと比較すると、その差はさらに広がる可能性は高い。

 使用球といった環境のちがいのために、過去の選手と現在の選手の成績を一概に比較することは難しいが、他の選手からの傑出度という点で、村上はまさに歴代トップの数字を残しつつある。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)



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