ワイルドカードでPS進出チャンス
シアトル・マリナーズの快進撃が止まらない。
先週末に行われたガーディアンズとの4連戦を3勝1敗と勝ち越し、今季成績を70勝58敗とした。
これで貯金は今季最多タイの「12」。移動日を挟んで、現地時間31日からはタイガースとの3連戦を迎える。相手は借金「28」と低迷しているだけに、マリナーズとしてはここでさらに勢いをつけたいところだろう。
マリナーズが所属するア・リーグ西地区は、長らくアストロズが支配してきた。コロナ禍のため60試合制で行われた2020年こそアスレチックスにその座を譲ったが、2017年以降の5年間で4度も地区タイトルを手にしている。
そのアストロズは、今季もア・リーグトップの82勝47敗という成績を残しており、地区2位・マリナーズとの差は11.5ゲーム。逆転の可能性は極めて低いと言わざるを得ない。
マリナーズとしては、2枠から3枠に増えたワイルドカードでポストシーズンを目指すのが現実的だろう。
現在は東地区のレイズ、ブルージェイズ、オリオールズに加え、中地区のツインズらと3つの枠をめぐる争いとなっている。
最長ブランクの座は激動…?
もし、マリナーズがポストシーズン進出を果たせば、イチローの渡米1年目にあたる2001年以来で21年ぶり。これは30球団の中で最も大きい数字で、最もポストシーズンから遠ざかっていることを意味する(少なくとも昨季までは)。
マリナーズに次いでブランクが空いているのがナ・リーグ東地区所属のフィリーズで、最後のポストシーズン進出は2011年である。今季のフィリーズは72勝57敗という成績で、ハイレベルの同地区3位。同西地区のパドレスらとワイルドカード枠を争っている状態だ。
仮にマリナーズとともにフィリーズもポストシーズンに進出すれば、全30球団が2014年以降に一度はポストシーズンを味わうこととなる。
▼ 最後のポストシーズン進出(ブランク)
2001年:マリナーズ(20季)
2011年:フィリーズ(10季)
2014年:タイガース、エンゼルス(7季)
2015年:パイレーツ、ロイヤルズ(6季)
2016年:オリオールズ、レンジャーズ、メッツ(5季)
※昨季終了時点
上記はポストシーズンから遠ざかっているチームを順に並べたものだが、マリナーズとフィリーズの名前がこのリストから消えれば、タイガースとエンゼルスが一番上に押し出される。
両者は今季も多くの借金を抱えて低迷中で、ポストシーズン進出は絶望的となっている。
果たして、マリナーズとフィリーズは久々のポストシーズン進出をかなえることはできるのか。
レギュラーシーズンも残り1カ月強。熾烈を極めるワイルドカード争いからも目が離せない。
文=八木遊(やぎ・ゆう)