ポストシーズンでも注目の投手陣
大混戦だったパ・リーグのペナントレースを制したオリックス。10月12日から始まるファイナルステージでは、ファーストステージで西武相手に2連勝と勢いに乗るソフトバンクを迎え撃つことになる。
ソフトバンクは、柳田悠岐の2試合連続本塁打など2試合で計13得点。オリックスには1勝のアドバンテージがあるものの、すんなりと日本シリーズ進出を決められる相手ではないだろう。ソフトバンク打線に対して、山本由伸や宮城大弥を中心としたオリックス投手陣が、どう立ち向かっていくかがシリーズの行方を占うポイントとなりそうだ。
もちろん先発投手が長いイニングを投げることも大事だが、短期決戦では早めの継投が多いため中継ぎ陣にかかる比重もペナントレースよりも大きくなる。中継ぎ陣、それも勝ちパターンの投手たちの出来が勝敗を大きく左右する。
今季のオリックス投手陣を振り返ってみると、クローザーの平野佳寿はチームトップの48試合に登板し28セーブ、防御率1.57と健在だが、その他の顔ぶれは一新。昨季まで実績がなかった投手たちが、勝ち試合でのマウンドを任されてきた。
大舞台でも新戦力が躍動するか
オリックスのホールド数トップ3を並べると、阿部翔太(22H)、近藤大亮(15H)、本田仁海(14H)という顔ぶれ。昨季のホールド数トップ3はタイラー・ヒギンス(28H)、富山凌雅(20H)、比嘉幹貴(11H)だったため、総入れ替えとなった。
今季は8月下旬に近藤が新型コロナウイルス陽性判定を受け出場選手登録を抹消されるも、新外国人のジェイコブ・ワゲスパック、先発から配置転換された山﨑颯一郎、ルーキーの小木田敦也、育成から這い上がってきた宇田川優希らが続々と台頭し、その穴を埋める活躍を見せた。
上記の投手の中では、右肘手術前に3年連続50試合以上に登板した近藤はともかく、その他の投手たちは抜擢に応えた格好。シーズンが進むにつれて各投手が自信を深めていった点も、今後の戦いへ向けてポジティブな要素だろう。
ただ、昨季と異なる勝ちパターンで連覇を達成したということは、大舞台の経験が少ないリリーフ陣でポストシーズンに挑むということも意味する。
ペナントレースとはまた違うプレッシャーがある短期決戦で、今季台頭してきた“新戦力”たちがシーズン中と同じように実力を発揮できるかどうか…。若きリリーフ陣の出来もCSの命運を分けるポイントの一つになりそうだ。
▼ 2022年・オリックスの主な救援投手
平野佳寿 48試 防1.57 3勝2敗28セーブ
阿部翔太 44試 防0.61 1勝0敗22ホールド
本田仁海 42試 防3.50 2勝3敗14ホールド
近藤大亮 32試 防2.10 1勝4敗15ホールド
ワゲスパック 32試 防2.97 2勝6敗7ホールド
比嘉幹貴 30試 防2.53 5勝0敗5ホールド
黒木優太 27試 防2.36 2勝2敗5ホールド
宇田川優希 19試 防0.81 2勝1敗3ホールド
小木田敦也 16試 防3.14 0勝0敗5ホールド
山﨑颯一郎 15試 防3.00 0勝2敗6ホールド