コラム 2022.11.17. 07:08

希少価値が高まる「200投球回」 直近10シーズンの達成者といえば…?

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オリックス・山本由伸(C) Kyodo News

ここ7シーズンで達成者は菅野智之ただひとり


 近年の日本プロ野球では、規定投球回到達者が減少傾向にあることがたびたび指摘されている。

 そうなると、かつて多くの先発投手が目標に掲げ、沢村賞の選考基準にもなっているシーズン「200投球回」の達成者も当然ながら減ることとなる。

 実際、今季も達成者はゼロ。実は、2018年の菅野智之(巨人)を最後に200投球回達成者は生まれていない。


 その原因となると、投手の分業制が進んだことがまず挙げられるが、すでに分業制が浸透していたにもかかわらず、10年余り前まではまだ200投球回達成者が数多く生まれていた。実際、2010年にはセ・パ両リーグで6人、2011年には7人もの投手が200投球回に達している。

 しかし、その後は一気に減少。2012年から2015年の4シーズンはいずれもふたり、2016年と2017年はゼロだ。2020年は新型コロナウイルスの影響で試合数が減ったために仕方ないところだが、2016年以降の7シーズンで200投球回達成者は菅野ただひとりだった。


 ということで、今回は2013年から今季までの直近10シーズンにおける、貴重な200投球回達成者の当該シーズン成績を振り返ってみたい。


▼ 直近10シーズン・200投球回達成者

金子千尋(オリックス/2013年)
投球回数:223.1回
[成績] 29試 15勝8敗 防2.01


田中将大(楽天/2013年)
投球回数:212回
[成績] 28試 24勝0敗1S 防1.27


ランディ・メッセンジャー(阪神/2014年)
投球回数:208.1回
[成績] 31試 13勝10敗 防3.20


則本昂大(楽天/2014年)
投球回数:202.2回
[成績] 30試 14勝10敗 防3.02


大野雄大(中日/2015年)
投球回数:207.1回
[成績] 28試 11勝10敗1H 防2.52


前田健太(広島/2015年)
投球回数:206.1回
[成績] 29試 15勝8敗 防2.09


菅野智之(巨人)
投球回数:202回
[成績] 28試 15勝8敗 防2.14


200投球回達成にいちばん近いところにいるのは…


 田中将大(楽天)が自身2度目の200投球回を達成した2013年といえば、24勝0敗で勝率10割という伝説的な成績を残したシーズンである。

 「1S」という記録は、田中が4年ぶりのセーブを記録すると同時に楽天を初のリーグ優勝に導いた同年9月26日の西武戦のときのもの。最多勝に最優秀防御率、最高勝率という3つの投手タイトルを引っさげ、翌2014年からメジャーへと活躍の場を移した。


 前田健太(広島)も、田中と同じくメジャー挑戦前年だった2015年に200投球回を達成している。

 前田の場合、つねに200投球回を目標に掲げ、2015年の達成はなんと自身4度目のもの。2010年から2012年にかけては3シーズン連続で200投球回に達している。


 先発投手の投球回が減っている要因は、先に触れた分業制の浸透のほか、投手の能力向上による身体への負荷の増加にもあるともいわれるが、いずれにせよ200投球回のハードルが高くなっているのは明らかだ。

 いま、200投球回に最も近いところにいるのは山本由伸(オリックス)だろう。直近2シーズンの山本の投球回は、2021年が193回2/3、そして今季が193回。これはいずれも両リーグトップの数字だ。

 2年連続でパ・リーグの投手四冠に輝き、沢村賞を受賞した日本球界最高の投手は、希少価値が高まる「200投球回」という記録にも手をかけることができるか。タイトルや記録とともに注目したい。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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