エンゼルス・大谷翔平

◆ データで振り返る!メジャー日本人選手の2022年:第1回・大谷翔平(投手)

 今季がメジャー5年目だった大谷翔平。投手としては良い意味で“初物尽くし”だった。

 10月5日のチーム最終試合でシーズン162投球回に到達。初めて規定回数超えを果たし、防御率2.33はア・リーグ4位という好成績を収めている。

 8月上旬にメジャーでは自身初となる2ケタ勝利を達成すると、その後はさらに調子を上げ、9月には4連勝を飾り、最終的に勝利数を15勝まで伸ばした。

 なお、同一シーズンに15勝以上を挙げ、かつ防御率3.00未満を記録したのは、2008年松坂大輔(レッドソックス/18勝&防御率2.90)以来、日本人投手としては2人目の快挙だった。

◆ 「スライダーの多さ」

 今季の投手・大谷を振り返ってみた時に、まず際立っていたのがホームスタジアムでの活躍だ。

 今季はホーム・アウェイともに14試合ずつに登板し、ホームでは7勝4敗で防御率1.82。一方、アウェイでは8勝5敗、防御率2.92で、防御率は1点以上の開きがあった。

 ただし、メジャー通算がホーム2.02のアウェイ4.16なので、今季は敵地での投球がかなり改善したともいえるだろう。

 続いて大谷の球種別投球割合を見ると、特徴的だったのがスライダーの多さである。

 昨季はフォーシームが44.1%、2位のスライダーが22.0%と、フォーシームを主体に投球を組み立てていた。

 ところが、今季はスライダーが2倍近い39.1%に激増。27.6%のフォーシームを上回り、カウントを整える場面でも多投していたイメージが強い。

 その中で印象的だったのが、これだけスライダーの割合が上がったにもかかわらず、同球種の被打率が昨季の.193から.159に改善していたこと。さらにスライダーのWhiff率(空振り/スイング)も31.3%から38.0%へアップしている。

 一方で、投球割合が減ったフォーシームも決して威力が落ちたわけではなく、平均球速は昨季の95.6マイル(153.8キロ)から97.3マイル(156.6キロ)へ大幅アップ。被打率は.289と.281とほぼ変わらなかったが、被長打率は.509から.389へと大幅に改善させていた。

 来季のメジャーリーグはピッチクロックの導入など、投手にはやや不利となるルールが適用される予定で、投手・大谷には試練の年となるかもしれない。

 それでも、1年目からすぐメジャーの水に慣れた大谷なら難なく適応する可能性は高く、むしろ新ルールを味方につける可能性すらあるだろう。

 来季は15勝といわず20勝を達成して、MVPとサイ・ヤング賞のダブル受賞を狙ってほしいところだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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