コラム 2022.12.22. 20:00

日本ハムからの国内FA移籍組は苦戦傾向 近藤健介はV奪回の使者となれるか

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入団会見を行ったソフトバンク・近藤健介

強力打線のピースに


 2020年以来のリーグ制覇を目指すソフトバンクが、オフシーズンに大型補強を行っている。

 FA権を行使した嶺井博希(前DeNA)と近藤健介(前日本ハム)を相次いで獲得しただけでなく、12月20日に新外国人選手としてジョー・ガンケル(前阪神)、ウィリアン・アストゥディーヨ(前MLBマーリンズ)、同22日には米独立リーグで打撃2冠のコートニー・ホーキンスの獲得を発表。さらには、今シーズン途中からロッテで守護神を務めていたロベルト・オスナの獲得も確実視される。

 優勝が“義務づけられた”ソフトバンクにとっては、痛恨の2年連続V逸。特に今シーズンはマジック1までこぎつけながらオリックスに捲られただけに、来シーズンにかける意気込みは相当なものがあるだろう。

 今オフに獲得した新戦力のなかでも、特に覇権奪還への鍵を握るのは近藤ではないか。通算打率.307(3310-1016)を誇る日本を代表する安打製造機で、最高出塁率のタイトルも2度獲得。通算出塁率.4128は、ソフトバンクの柳田悠岐(同.4133)に次いで現役2位(3000打数以上)となる。

 そんな2人が並ぶ打線は、他球団にとって脅威でしかない。今シーズンのソフトバンクは555得点、打率.255ともにリーグトップだったが、さらなる上積みが期待できそうだ。


FA移籍後に成績を落とす選手が多数


 強力打線への夢は膨らむばかりだが、不安な点もある。近藤が在籍した日本ハムから国内の他球団へFA移籍した野手は複数いるものの、ほとんどが初年度に成績を落としている。

 FA制度が開始された93年以降、日本ハムから国内の他球団に移籍した野手は、片岡篤史(日本ハム⇒阪神)、小笠原道大(日本ハム⇒巨人)、森本稀哲(日本ハム⇒横浜)、鶴岡慎也(日本ハム⇒ソフトバンク)、大引啓次(日本ハム⇒ヤクルト)、小谷野栄一(日本ハム⇒オリックス)、陽岱鋼(日本ハム⇒巨人)、大野奨太(日本ハム⇒中日)と合計8人いる。

 その8人のなかで移籍初年度に出場試合数が増えたのは、小笠原と片岡の2人しかおらず、片岡は成績がダウン。前年と同等以上の成績を残したのは小笠原1人だった。

 06年オフに巨人へ移籍した小笠原は、本塁打(33本⇒32本)と打点(100打点⇒88打点)がやや下がったものの、打率(.3125⇒.3127)は微増しており、5年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献。NPB史上初となるリーグをまたいだ2年連続MVP受賞という快挙が、その存在感の大きさを物語っている。

 一方、01年オフに阪神へ移籍した片岡は、出場試合数こそ106試合から120試合に増えたものの、打率(.254⇒.228)、本塁打(16本⇒11本)、打点(62打点⇒46打点)の数字を全て落とした。その他の打者を見ても、主要打撃3部門で前年を上回った選手は1人もいない。

 片岡以外は本拠地が北海道に移転してからの移籍だ。投手有利とされる札幌ドームから他の本拠地に移ったものの、それが数字には現れなかったということになる。故障や不振、求められる役割の違いなど要因は複数あるが、成績が伸びなかったのは事実である。

 唯一、移籍前と変わらぬ活躍を見せた小笠原は、移籍先の巨人を前年の4位から優勝へと導いた。近藤もまた、日本ハムの大先輩である小笠原のように移籍初年度から結果を残し、V奪回の使者となれるだろうか。


日本ハムからFA移籍した野手の成績変化


▼ 片岡篤史[日本ハム⇒阪神]
01年:106試 打率.254(401-102) 16本 62打点
02年:120試 打率.228(425-97) 11本 46打点

▼ 小笠原道大[日本ハム⇒巨人]
06年:135試 打率.313(496-155) 32本 100打点
07年:142試 打率.313(566-177) 31本 88打点

▼ 森本稀哲[日本ハム⇒横浜]
10年:115試 打率.272(408-111) 2本 30打点
11年:48試 打率.187(134-25) 1本 9打点

▼ 鶴岡慎也[日本ハム⇒ソフトバンク]
13年:114試 打率.295(244-72) 2本 26打点
14年:98試 打率.216(162-35) 0本 25打点

▼ 大引啓次[日本ハム⇒ヤクルト]
14年:132試 打率.245(402-107) 5本 47打点
15年:96試 打率.225(311-70) 5本 41打点

▼ 小谷野栄一[日本ハム⇒オリックス]
14年:84試 打率.296(243-72) 4本 29打点
15年:56試 打率.295(183-54) 4本 22打点

▼ 陽岱鋼[日本ハム⇒巨人]
15年:130試 打率.293(495-145) 14本 61打点
16年:87試 打率.245(330-87) 9本 33打点

▼ 大野奨太[日本ハム⇒中日]
17年:83試 打率.221(137-27) 3本 13打点
18年:63試 打率.197(137-27) 2本 10打点

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