コラム 2023.01.27. 06:44

本日発表!春のセンバツ「出場36校」を徹底予想

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「春のセンバツ」出場校は明日26日発表 (C) Kyodo News

今年も波乱はあるか…?


 本日1月27日、『第95回記念選抜高等学校野球大会』の出場校を決める選考委員会が行われる。

 昨年は前年秋の東海大会準優勝チーム・聖隷クリストファー(静岡)がまさかの落選となったことが大きな話題に。今年は果たしてどのチームが選出されるのか。議論となりそうな地域を中心に、36チームの出場校を予想してみたい。

 なお、今回は95回の記念大会ということで、一般選考枠が4校増える。東北が2校から3校に、関東・東京は6校から7校、東海が2校から3校、そして中国・四国が5校から6校となる。


東北地区の3校目は能代松陽がやや有利


 東北地区は、秋の東北大会の優勝校・仙台育英(宮城)と、準優勝校・東北(宮城)が順調に選ばれると予想される。議論になるのは3校目だ。

 準決勝で敗れたのが、聖光学院(福島)と能代松陽(秋田)。ともに準々決勝は、延長戦の末に勝ち上がっており、絶対的な力の差はないように見えるものの、準決勝の戦いぶりから、能代松陽が少し有利という印象を受けている。

 理由として挙げられるは、投手力の差だ。昨年夏の甲子園で登板したエースの森岡大智だけでなく、サードを守る斎藤舜介が安定した投球を見せており、準決勝の仙台育英戦で1点差の接戦を演じている。

 対する聖光学院は、旧チームから残ったメンバーが力を発揮することができず、攻守ともに目立った成績を残すことができなかった点がマイナスになりそうだ。


関東地区の5校目は作新学院が有利


 毎年6校目が難航する関東・東京地区。今大会は1校増えたことで、関東から5校、東京から2校という形になりそう。東京の2校は、秋の都大会で決勝に進出した東海大菅生と二松学舎大付が順当に選ばれそうだ。

 議論となるのが、関東の5校目。関東大会の準々決勝でコールド負けを喫した山村学園(埼玉)と、開催県の1位で「スーパーシード」を得ながら1勝もできなかった昌平(埼玉)は苦しい。

 そうなると、残る横浜(神奈川)と作新学院(栃木)の名門2校の争いとなる。秋の戦いぶりを考えると、作新学院が有利ではないだろうか。

 入学直後から“大器”と評判の大型右腕・小川哲平(新2年)は右肘の不調もあって本調子ではなかったが、タイプの異なる投手を繋いで、関東大会の2試合を4失点に抑えている。野手陣もまた、センターの高森風我とショートの磯圭太(いずれも新3年)といった力のある選手が目立った。

 一方の横浜は、夏の甲子園から続く打線の弱さが改善していない。2試合で10安打に終わり、多く得た四死球を得点につなげられない拙攻が続いた。エースの杉山遙希(新3年)の安定感は光るも、2番手以降の投手も課題であり、総合的に見て、秋の時点では作新学院に劣るという印象は否めない。


東海地区3校目は大垣日大と予想


 昨年は聖隷クリストファーの落選で、大きな波紋を呼んだ東海地区。戦いぶりから見ても、東海大会優勝の東邦(愛知)と準優勝の常葉大菊川(静岡)は、順当に選ばれるだろう。

 焦点は、東海大会準決勝で敗れた大垣日大(岐阜)と加藤学園(静岡)による3校目の争いだ。準決勝のスコアを見ると、0-2で敗れた加藤学園が、4-7で敗れた大垣日大を上回っている。

 しかしながら、決勝では大垣日大を下した東邦が、加藤学園を下した常葉大菊川に7-2で完勝していることを考えると、両校の評価が逆転することが考えられる。

 これに加えて、“地域性”を考慮すれば、同じ静岡県の常葉大菊川が決勝に進出した状況は、加藤学園に不利となりそうだ。これらを分析すると、東海地区の3校目は大垣日大が選ばれると予想する。


四国の3校目は鳴門より高知?


 中国・四国地区は、各地区大会の決勝に進出した広陵(広島)、光(山口)、英明(香川)、高松商(香川)の4校は当確。それぞれの大会で、準決勝で敗れた4校が残る2つの枠を奪い合う。

 中国地区は、鳥取城北(鳥取)と高川学園(山口)の争いになるが、中国大会の準決勝で、優勝校の広陵を最後まで追いつめた鳥取城北を推したい。

 高川学園は、準決勝で同じ山口県の光と1-2と接戦を演じたとはいえ、光が決勝で広陵に大敗したことで、高川学園にとっては選考でマイナス評価になりそうだ。


 そして、最も予想が難しいのが四国の3校目。候補になるのは高知(高知)と鳴門(徳島)だ。四国大会の準決勝は、高知が2-4で英明に、鳴門が1-4で高松商にそれぞれ敗れており、両校のスコアに大きな差がない。

 筆者(野球ライター・西尾典文)としては、複数の力がある投手を揃えており、四国大会で上手く継投で失点を防いだ高知を推したい。

 鳴門は徳島大会1位ではあるが、四国大会の2試合は9人の固定メンバーで戦っており、ベンチ入り20人を全員起用した高知と比べて、控えの層にも不安が残る点をマイナスと考えた。


予想が難しい21世紀枠…由利、氷見、城東が選出か


 残りの一般選考枠は、北海道(1校)、北信越(2校)、近畿(6校+明治神宮大会枠1校)、九州(4校)の14校となる。

 北海道は、秋の北海道大会で優勝したクラーク記念国際。北信越は、北信越大会で決勝に進出した北陸(福井)と敦賀気比(福井)。九州は、九州大会ベスト4である沖縄尚学(沖縄)と長崎日大(長崎)、海星(長崎)、大分商(大分)がそれぞれ順当に選出されそうだ。

 近畿は、大阪桐蔭が明治神宮大会で優勝したことで、1枠増えて7校となった。近畿大会の準々決勝に進出した8校のうち、準決勝で智弁和歌山にコールド負けを喫した社(兵庫)が落選となる可能性が高いだろう。なぜなら、準決勝でコールド負けは社のみだったからだ。


 そして最も予想が難しいのが、21世紀枠の3校。今年は稚内大谷(北海道)、由利(東北・秋田)、石橋(関東&東京・栃木)、氷見(北信越・富山)、木本(東海・三重)、小野(近畿・兵庫)、神辺旭(中国・広島)、城東(四国・徳島)、高鍋(九州・宮崎)の9校が最終候補として推薦されている。

 この中から、東日本(北海道~東海)から1校、西日本(近畿~九州)から1校を選び、最後に東西関係なく1校が選ばれる流れとなる。21世紀枠は、野球のプレーだけではなく、困難な環境の克服、学業との両立、創意工夫した練習、地域に対する影響などが議論のポイントとなり、また各地区の高野連のプレゼンテーションによって、大きく選考が左右されると言われている。


 そんな中で、今回は由利、氷見、城東の3校を予想した。

 由利は、21世紀に選ばれる学校の多い豪雪地帯というハンディを乗り越えた点が高く評価されると予想。過去のデータを見ても、東北は地区別でトップの14校が21世紀枠で出場しており、昨年も只見(福島)が選ばれている。

 氷見は、近年評価されることが多い地域の小中学生への普及活動が、選出へプラスに働くと予想した。過去に21世紀枠に選ばれたチームは、好投手を擁していることが多い。氷見にはプロ注目のエースである青野拓海(新3年)がおり、これも選出へ後押しになりそう。

 城東は、文武両道が大きな強みとなる。石橋と小野も同じ文武両道を売りとしているが、部員数がマネージャー1人を含めて13人と少ない中で、創意工夫によって結果を残したという点はより評価されそうだ。

 改めて、本稿で予想した出場36校は以下の通り。昨年のようなサプライズはあるのか、または順当な選考になるのか。1月27日の発表にぜひとも注目してもらいたい。


春のセンバツ・出場校予想


<北海道>
クラーク記念国際

<東北>
仙台育英(宮城)
東北(宮城)
能代松陽(秋田)

<関東・東京>
山梨学院(山梨)
専大松戸(千葉)
健大高崎(群馬)
慶応(神奈川)
作新学院(栃木)
東海大菅生(東京)
二松学舎大付(東京)

<北信越>
北陸(福井)
敦賀気比(福井)

<東海>
東邦(愛知)
常葉大菊川(静岡)
大垣日大(岐阜)

<近畿>
大阪桐蔭(大阪)
報徳学園(兵庫)
龍谷大平安(京都)
智弁和歌山(和歌山)
高田商(奈良)
彦根総合(滋賀)
履正社(大阪)

<中国・四国>
広陵(広島)
光(山口)
鳥取城北(鳥取)
英明(香川)
高松商(香川)
高知(高知)

<九州>
沖縄尚学(沖縄)
長崎日大(長崎)
海星(長崎)
大分商(大分)

<21世紀枠>
由利(秋田)
氷見(富山)
城東(徳島)



文=西尾典文(にしお・のりふみ)
☆記事提供:プロアマ野球研究所
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