コラム 2023.02.20. 06:44

大和と牧からの学びで狙う捲土重来 「やらなければ」DeNA・益子京右の覚悟

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DeNA・益子京右 [取材・文=萩原孝弘]

「今年はやらないとやばいですから」


 プロ4年目の昨年2月、男は沖縄・宜野湾の一軍キャンプに参加していた。しかし、今年は奄美大島の二軍キャンプで泥にまみれている。

 「ドラフトで2人キャッチャーを獲ったということは、そういうことですからね」

 しかも一軍ではそのうちの1人、ドラフト1位入団の松尾汐恩が奮闘を見せ、連日紙面を賑わせている。

 プロ野球の光と影。「今年はやらないとやばいですから」。DeNAの22歳捕手・益子京右の鋭い眼光には悲壮感も漂っていた。


「最悪」だった4年目のシーズン


 青藍泰斗高から2018年のドラフト5位で入団。1年目と2年目はともにファームでの出場が30試合程度に留まっていたが、3年目は72試合に出場と経験を積み、シーズン終了間際には一軍デビューも果たす。

 それも東克樹を好リードで引っ張り、8回無失点の快投を演出。バットでも4回にプロ初安打をマークし、初めてのお立ち台では「ずっとここでプレーしていたい気持ち」と煌めいた。


 そんな流れのまま掴んだ昨年の一軍キャンプ。「素直に嬉しかったですね。一軍の選手と一緒に練習をすることで、一球の大切さを知り、向き合い方も変わりました」と充実の日々を過ごした。

 順調なスタートを切った4年目の春。開幕一軍入りはならなかったが、4月7日から約3週間は一軍に帯同。しかし、戸柱恭孝がコロナから復帰すると、入れ替わりでファームへ落とされた。

 その後も調子は上がらず、数字は3年目をすべて下回るなど悔しい一年に。自身も「4年間で一番最悪な年でした。できないことをやろうと取り組んでいたことが仇となってしまいました」と反省。

 具体的には、「打席でまっすぐに合わせながら変化球もヒットにしようとしていたら、自分のスイングができなくなってしまった」と言い、「結果的に打球は半端にフェアゾーンに飛んでしまい、もったいない凡打が多くなってしまいました」とメカニズムの狂いが修正できなかった。

 さらには「ネガティブに考えすぎてしまい、1球も振らずに三振してしまったり……」と振り返り、メンタル面でも泥沼にハマっていってしまったという。


「誰よりもスタメンマスクをかぶりたい」


 「このままではまずい。変えなくては」。危機感を感じ、オフから行動を開始した。

 打撃練習でマスクを被った際に、「これは見逃すなと思っていたら、すごく近い所まで引き付けてバットがすっと出てきた」と驚いた牧秀悟の打撃を問う意味もあり、大和と行っているの自主トレへの同行を志願。鹿児島に渡り、野球の基本から応用に取り組み、ときには格闘技の要素も取り入れるなど、ハードに自分を追い込んだ。

 その結果、「今までは同じキャッチャーの先輩方にアドバイスをいただくことが多かったのですが、キャリアのある大和さん、入団してすぐ結果を出しいている牧さん、2人の先輩からの視点でのアドバイスはとてもためになりました」と野球への視野が劇的に広がったという。

 なかでも「内野守備のノックを受けて、足をしっかり使って送球する大切さを学んだおかげで、キャッチングからのスローイングも良くなりました。動きが良くなったのか、内野守備もうまくなりましたよ」と、球界屈指の名手・大和の教えに心酔。

 バッティングでも「大和さんにインコースのさばき方を教わりました。身体を開くのではなく、手を早く始動してあげることによって、ファウルゾーンに切れない打球が打てるようになりました」と言い、牧には「右肘が伸び切らないところでインパクトを迎えるとともに、お尻の右側で押し込んでいくイメージ」をと、ボールを引き付けながら軸回転で打つ極意を伝授された。


 掴んだ自信とともに臨んだ春季キャンプ。自主トレでの学びを最大限活かすため、「奄美では試合がないのですが、常に試合を意識しながら個別練習でも取り組んでいます。捕る、止める、投げるは常に完璧を求めています」とし、実戦を意識しながら奮闘中。

 打撃でも「キャッチャーの中ではトップを目指しています。自分は下位打線を任されると思うので、『下位打線に益子がいるのは怖いよね』と思われるように。またチャンスで回ってくることも打順的にも多くなってくると思うので、勝負強さにもこだわりたいですね。最低でも打率.250以上は残さないと」という志のもと、毎日遅くまでレベルアップのため汗を流している。

 全ては「一軍にいることはもちろん、誰よりもスタメンマスクをかぶりたい」との野望のため。弾ける笑顔の裏にある反骨心は、5年目の捲土重来に向けて燃えたぎっている。


取材・文=萩原孝弘

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