未来の成績を予想する「Steamer」が弾き出した数字とは…?
選手の未来の成績を弾き出す予想システム「Steamer(スチーマー)」の企画第3弾は、1年目の投手編だ。昨季までメジャーでプレーした他の日本人選手と違って、メジャーではあくまでもルーキー扱いだが、果たしてどんな成績が見込まれているのか。
今回もFangraphsに掲載されている数字を紹介していきたい(現地1月12日時点)。対象はレイズとのマイナー契約が報じられた上沢直之を含めた4人の投手だ。
【山本由伸】
2024年予測<29試合 12勝9敗 防御率3.98>
3年連続で勝利、防御率、勝率、奪三振の投手4冠を達成した山本由伸。今季は大谷翔平とともにドジャースでプレーすることになった。総額3億2500万ドル(約465億円)という超大型契約から期待値の高さがわかるが、スチーマーの予測は12勝9敗、防御率3.98と控えめ。メジャーではまだ1球も投げていないため、未知数なのは間違いないが……。予測通りの成績ならファンから厳しい視線を浴びることになるかもしれない。
【今永昇太】
2023年成績<22試合 7勝4敗 防御率2.80>(DeNA)
2024年予測<26試合 9勝8敗 防御率3.83>
カブスと4年契約を結んだ今永昇太。総額5300万ドル(約77億円)は、山本の6分の1程度だが、スチーマーは山本超えの防御率3.84を予測している。昨季のカブスは、規定投球回数に達したのが今永と同じ左腕のジャスティン・スティール、1人だけだった。年齢はスティールの方が2歳下だが、16勝左腕から学べる部分も多々あるだろう。まずはシーズンを通してローテーションを守りたいところだ。
【松井裕樹】
2023年成績<59試合 2勝3敗 39S 防御率1.57>(楽天)
2024年予測<64試合 3勝3敗 7S 防御率3.33>
日本で通算236セーブを挙げた松井裕樹は、ダルビッシュ有が所属するパドレスと契約を結んだ。メジャー公式球への対応やピッチクロックなど、課題は決して少なくないが、本拠地ペトコ・パークは投手有利な球場。攻めの投球を貫けば、クローザーの座をつかむことも可能だろう。7セーブという予測を大幅に上回る活躍に期待したい。
【上沢直之】
2023年成績<24試合 9勝9敗 防御率2.96>(日本ハム)
2024年予測<21試合 1勝2敗 防御率4.37>
最後はレイズとのマイナー契約が報じられた上沢直之。かなり厳しい立場からのスタートにはなるが、スチーマーはメジャーで21試合の登板を予測。上沢は球団を通じて「成功と投手育成の豊かな歴史にとても感銘を受け、レイズを選んだ」と英語でコメントを出したが、オープナーなどを取り入れてきた独創的なチームだけにフィットする可能性は十分あるだろう。まずはオープン戦で結果を残してメジャーの切符をつかみたい。
今回はルーキー投手4人の成績予測を紹介した。山本の成績が思いのほか悪かったが、間違いなくその実力はメジャーでもエース級。1年目からタイトル争いに加わってもおかしくない。今永と松井の両左腕に加えて、上沢の奮起にも期待がかかる。
文=八木遊(やぎ・ゆう)