内野安打が投手失策に訂正
2位パドレスに6.5ゲーム差をつけナ・リーグ西地区の首位を走っているドジャース。もちろんチームを牽引しているのは主砲・大谷翔平だ。
直近の5試合は一発こそ出ていないものの、5月は月間打率.373と好調を維持。チャンスに弱いと言われてきた打撃も、試合の重要局面でタイムリーが出る場面が増えてきた。
ただ現地時間20日のダイヤモンドバックス戦で当初内野安打と記録されていたプレーが、投手失策に訂正。この影響で.354あった打率は、移動日にもかかわらず.348と急降下してしまった。
しかし、この数字はナ・リーグだけでなく、メジャー全体でも堂々のトップ。大谷に続くのが、23日の試合で4安打を放ち、打率を.341に伸ばしたパドレスのルイス・アラエスだが、試合のなかった大谷と4安打のアラエスの差はたった1日で2分4厘差から7厘差へと縮まった。それでも大谷が首位打者を快走している事実に間違いはない。
ドジャースはこれまで52試合を消化。大谷はそのうち50試合に出場している。まだシーズンは100試合以上残っているが、三冠王の期待もかかるだけに、できる限りノーヒットの試合を避けつつ、高打率を維持しておきたいところ。
ちなみに開幕から50試合に出場した時点で大谷の.348より高い打率を残した日本人打者はどれくらいいたのだろうか。調べてみたところ、やはりあのレジェンドの名前が浮上した。
【日本人打者打率ランキング(開幕から50試合出場時点)】
1位 .359 イチロー(2009年)
2位 .358 イチロー(2001年)
3位 .356 イチロー(2002年)
4位 .349 イチロー(2016年)
5位 .348 大谷翔平(2024年)
6位 .340 イチロー(2010年)
7位 .336 イチロー(2007年)
8位 .3351 城島健司(2007年)
9位 .3348 イチロー(2004年)
10位 .330 松井秀喜(2008年)
4位までを占めたのは、やはりイチローだった。しかも5位の大谷を挟み、6~7位、そして9位にもレジェンドの名前があった。
もちろんシーズンの3分の1程度を消化した時点の成績なので、今季の大谷の打率が最終的にどの程度に落ち着くかはまだまだわからない。
ただ、長距離砲の大谷がアベレージヒッターだったイチローに肩を並べるような打率を残していることは特筆に値する。
ちなみに9位イチローの2004年といえば、ジョージ・シスラーのシーズン最多安打記録を塗り替え、262安打をマークした年。同年のイチローは開幕から“低調”だったが、オールスター後の76試合で143安打、打率.429という驚異的な打棒を見せ歴史に名を残した。
今季の大谷は、こと打率に関しては自己ベストの数字だが、本塁打や打点はまだまだ本領発揮とはいえない。20年前のイチローのように、シーズン半ばからのロングスパートで夢の三冠王を狙ってほしいところだ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)