大谷の爆発的な活躍もあって勝利を重ねたドジャースは満身創痍の状態…どうなるポストシーズン
今季のメジャーリーグは、レギュラーシーズンも残すところあと1日。ナ・リーグのワイルドカードで最後の2枠を争っているブレーブスとメッツが現地時間30日(日本時間10月1日)、アトランタでダブルヘッダーを戦い、全日程を終えることになる。
そのダブルヘッダーで1勝1敗ならブレーブスとメッツがそのままポストシーズンに進出するが、どちらかが2勝すれば敗者のシーズンは終了。勝者が第5シードに、すでに162試合を戦い終えたダイヤモンドバックスが第6シードに収まることになる。
ブレーブスとメッツはポストシーズン開幕直前にダブルヘッダーを戦うハードな日程となるが、逆にこれを勢いに変える可能性も十分あるだろう。
レギュラーシーズンでどれだけ好成績を残しても、ポストシーズンになればどのチームも0勝0敗からの再スタート。レギュラーシーズンの成績上位チームにホームアドバンテージがあるとはいえ、NBAやNFLに比べると下克上が起こりやすいのもメジャーリーグの特徴だ。ポストシーズンでは何よりも勢いが重要なのは、関係者やファンの共通認識だろう。
特に今季は、100勝以上挙げたチームが皆無という珍しいシーズンだっただけになおさら。ポストシーズンに進む12チームすべてに勝ち上がるチャンスがあるといえる。
ちなみに両リーグで最も多くの勝利を挙げたのは、大谷翔平擁するドジャースで98勝。他に95勝以上挙げたのはフィリーズ(95勝)だけで、ア・リーグはヤンキースの94勝が最多だった。
昨季は3チームが100勝以上するなど、ここ数年は複数のチームが100勝以上挙げるシーズンも少なくなかった。実際、“100勝チーム”がゼロだったのは、2014年が最後だ(コロナ禍で60試合制となった2020年を除く)。
実に10年ぶりの“混戦模様”となった今季だが、2010年代前半はむしろ100勝以上挙げる強豪チームは少なかった。2010年代だけで“100勝チーム”不在のシーズンが10年、12年、13年、14年の4度もあったほどだ。
そして、それらのシーズンは飛び抜けたチームがいなかったためか下克上も多く、その4シーズンでリーグの第1シードがワールドシリーズまで勝ち上がったのは、13年のレッドソックスとカージナルスの2チームだけ。地区を制した第2シードや第3シードのチームだけでなく、ワイルドカードから勢いに乗って頂点の上り詰めるチームも多かった。
今季はメジャー最高勝率を誇るドジャースが投手陣を中心に故障者が続出中で、まさに満身創痍の状態。現地でもドジャースの苦戦を予想する声は少なくない。
シーズン終盤は大谷の爆発的な活躍もあって勝利を重ねたドジャースだが、地区シリーズまでに5日間のオフがあることは明るい材料の一つとなるだろう。投手陣の台所事情が苦しいことに変わりはないが、何とかフレッシュな状態で地区シーズンを迎えてもらいたいところだ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)