コラム

選手層の厚さが問われるシーズン終盤戦 優勝候補ソフトバンクが本領発揮!

松田、吉村、本多に代わる明石と金子が想定以上の活躍


 ひとりの故障者も出さずに長いシーズンを乗り切れるチームは皆無といっていい。パ・リーグ首位のソフトバンクも例外ではない。7月に右手人さし指骨折で松田宣浩が離脱すると、代わる吉村裕基も右ふくらはぎ肉離れで一週間後に登録抹消。さらに今月3日には本多雄一が左手薬指骨折で戦列を離れた。

 にもかかわらず、8月2日の日本ハム戦から9連勝(8月12日終了時点)を記録するなど、チームはむしろ好調である。開幕以来、抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り返してきたオリックスとのゲーム差はついに4.5にまで広がった。

 ソフトバンクの強さ——それはひとえに選手層の厚さによるものだろう。松田の穴を埋めるのは明石健志。今宮健太の成長や李大浩の加入によりポジションを奪われた格好の明石だが、主力にアクシデントがあれば、内野ならどこでも守れるという強みを発揮する。さらに、松田には及ばないまでも打撃も好調。8月以降、スタメン出場した7試合で三度の猛打賞を記録するなど気を吐いている。

 本多の穴を埋めるのは金子圭輔だ。代走や守備固めでの出場がほとんどという“いぶし銀”タイプの金子だが、こちらも明石に負けじとバットでもアピール。スタメン起用されるようになった8月以降は打率.345と想定外の活躍を見せている。もちろん、持ち味の高い守備力や連日のように決める盗塁は想定内のものである。


帆足、岩嵜の奮起に大隣の復活 主力の離脱を感じさせない先発陣


 投手陣はといえば、寺原隼人とブライアン・ウルフが5月に相次いで登録抹消。両者とも手術を伴う長期離脱だ。開幕ローテからふたりが抜けた格好だが、ここでもその穴を埋める選手が現れる。

 7月16日のロッテ戦こそ3回11失点と炎上したものの、それまで無傷の6連勝を記録していたのが帆足和幸。残念ながら前回登板(7月23日)のロッテ戦で5回4失点と打ち込まれ、翌日に登録抹消となったが、今度はその帆足に代わるように、大隣憲司が悲願の復活勝利を挙げた。

 2012年シーズンに12勝を挙げ、昨季は攝津正とともにエースと期待されたが、難病・黄色靭帯骨化症による長期離脱を余儀なくされた大隣。7月27日のオリックス戦で422日ぶりの勝利を挙げると、続く8月7日の先発試合でも6回2安打無失点の完璧な内容で連勝を飾った。

 これまで3勝1敗と奮起している岩嵜翔も見過ごせない。オフに先発一本での起用を直訴し「勝負の年」と息巻いていただけに、主力の離脱はむしろ好機。直近の先発試合である8月3日の日本ハム戦では7連勝中だった大谷翔平に土をつけ、きっちりとチャンスを物にしている。

 開幕前、優勝候補筆頭に挙げられていたソフトバンクが、その巨大戦力により、ついに本領発揮といったところか。8月15〜17日にはオリックスとの首位決戦が控えている。ソフトバンクにこれ以上差を広げられるわけにはいかないオリックスだが、開幕直後の勢いはなく、7月は11勝12敗とついに月間負け越しとなった。それでもオリックスが意地を見せるか、好調ソフトバンクが一蹴するか。
ペナントの行方を占うカードになるはずだ。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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