今回長年にわたり足が早くなるためのトレーニング指導をしてきた、ヴァンフォーレ甲府フィジカル・コンディショニングコーチの谷真一郎さんを訪問。足が遅くなっている原因と対策、ラダートレーニングを活用した足が速くなるトレーニングのコツを中心にお話しをお伺いしました。
「ラダートレーニングの目的は、走るスピードを上げることですよね。そのためにラダーを使い、走る時よりも速いスピードで腕を振り、足を踏み替える動作を行います。そうすることで、走りのスピードアップにつながります。しかし、これから紹介する『わるい例』のように、間違った姿勢や方法でトレーニングをしてしまうと、本来の目的であるスピードアップにはつながりません」
がんばってラダートレーニングをしているのに、足が速くならないという人は、間違った姿勢や方法でトレーニングをしている場合があります。なかでも、子どもたちによくあるのが、次に紹介する≪3つのケース≫です。あなたのお子さんは、いずれかの例に当てはまってはいませんか? ぜひチェックしてみてください。
[谷真一郎からのアドバイス]
ラダーを使ってトレーニングをする際、ラダーに引っかからないように意識するあまり、地面ばかりを見ている子がいます。そうなると背中が曲がってしまい、速く走るために必要な、背筋が伸びた状態とは正反対になってしまうので気をつけましょう。猫背になると、足をただ前方に進めるだけになってしまい、通常の『走る動作』にはつながりません。また、スピードアップに重要な腕の振りもなくなってしまいます。そうならないために、背筋を伸ばして顔を上げ、視線をまっすぐ進行方向へ向けます。そして、腕をしっかりと振って進みましょう。
[谷真一郎からのアドバイス]
人間の身体は、過剰に力を入れると動きが遅くなります。つまり「速く走らなきゃ」という気持ちが強すぎて身体に力が入ると、結果として遅くなってしまうんですね。私の感覚だと、70〜80%の力で走ろうと思ったときが、一番スムーズに、スピードに乗った状態で走ることができます。これはぜひ覚えてほしいポイントです。小学生によく見られるのが、気持ちが先走るあまり前傾姿勢になり、上半身と下半身がバラバラ。頭は前に出て、足は後方に流れてしまい、バランスが崩れてしまう走り方です。過剰に力が入るとなりやすいので、気をつけましょう。
[谷真一郎からのアドバイス]
「姿勢を意識しよう」と言うと、胸を前に押し出すようにする子がいます。その状態で走ると、腕を身体の後ろで振ることになるので、スピードに乗ることができません。また、その状態で前に出ようとすると、重心より前方に足を着いてしまい、大股になって地面反力を得ることができなくなってしまいます。いわゆるアメンボのような走り方です。この走り方は速く走るどころか、一歩一歩ブレーキをかけて進んでいるようなもの。胸を張らず、肩甲骨を寄せた状態で、身体の真下に足をつくように重心を移動させましょう。
[谷真一郎からのアドバイス]
速く走るためには、地面を押すように踏み込み、地面から得られるパワーを、走るエネルギーに変えて進んでいくことがポイントです。そのために、地面反力を得られる姿勢で足を振り出し、地面を蹴るのではなく、踏み込むようにして進んでいきます。短距離選手の走っている姿を見ると、足の裏が地面に接地するとき、ひざと足首の角度は変わりません。つまり、地面を蹴って走っているわけではないんですね。地面を押して、パワーをもらうとすぐ次に足を踏み変えて、進んでいきます。一方で、地面を蹴って走ろうとすると、足が身体の後ろに流れたり、滑ってしまうことがあります。これはぜひ気をつけて欲しいポイントです。
今回のまとめ
いい例で紹介した動きは、ラダーを使うことで効率的に身につけることができます。小学生のころに正しい走り方、身体の使いかたを身につけることが、これから先のよりよい成長につながることは間違いありません。写真や動画を参考に、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。(取材・文 鈴木智之 監修 谷真一郎)
速く走るコツとは?
谷さんはこう説明します。「ラダートレーニングの目的は、走るスピードを上げることですよね。そのためにラダーを使い、走る時よりも速いスピードで腕を振り、足を踏み替える動作を行います。そうすることで、走りのスピードアップにつながります。しかし、これから紹介する『わるい例』のように、間違った姿勢や方法でトレーニングをしてしまうと、本来の目的であるスピードアップにはつながりません」
がんばってラダートレーニングをしているのに、足が速くならないという人は、間違った姿勢や方法でトレーニングをしている場合があります。なかでも、子どもたちによくあるのが、次に紹介する≪3つのケース≫です。あなたのお子さんは、いずれかの例に当てはまってはいませんか? ぜひチェックしてみてください。
わるい例1:下を見て、足だけを動かしている
[谷真一郎からのアドバイス]
ラダーを使ってトレーニングをする際、ラダーに引っかからないように意識するあまり、地面ばかりを見ている子がいます。そうなると背中が曲がってしまい、速く走るために必要な、背筋が伸びた状態とは正反対になってしまうので気をつけましょう。猫背になると、足をただ前方に進めるだけになってしまい、通常の『走る動作』にはつながりません。また、スピードアップに重要な腕の振りもなくなってしまいます。そうならないために、背筋を伸ばして顔を上げ、視線をまっすぐ進行方向へ向けます。そして、腕をしっかりと振って進みましょう。
わるい例2:上半身に力が入っている
[谷真一郎からのアドバイス]
人間の身体は、過剰に力を入れると動きが遅くなります。つまり「速く走らなきゃ」という気持ちが強すぎて身体に力が入ると、結果として遅くなってしまうんですね。私の感覚だと、70〜80%の力で走ろうと思ったときが、一番スムーズに、スピードに乗った状態で走ることができます。これはぜひ覚えてほしいポイントです。小学生によく見られるのが、気持ちが先走るあまり前傾姿勢になり、上半身と下半身がバラバラ。頭は前に出て、足は後方に流れてしまい、バランスが崩れてしまう走り方です。過剰に力が入るとなりやすいので、気をつけましょう。
わるい例3:いい姿勢をつくることを意識するあまり、胸を張ってしまう
[谷真一郎からのアドバイス]
「姿勢を意識しよう」と言うと、胸を前に押し出すようにする子がいます。その状態で走ると、腕を身体の後ろで振ることになるので、スピードに乗ることができません。また、その状態で前に出ようとすると、重心より前方に足を着いてしまい、大股になって地面反力を得ることができなくなってしまいます。いわゆるアメンボのような走り方です。この走り方は速く走るどころか、一歩一歩ブレーキをかけて進んでいるようなもの。胸を張らず、肩甲骨を寄せた状態で、身体の真下に足をつくように重心を移動させましょう。
いい例:重心の移動速度を上げて、踏み込んだ足に体重を乗せる
[谷真一郎からのアドバイス]
速く走るためには、地面を押すように踏み込み、地面から得られるパワーを、走るエネルギーに変えて進んでいくことがポイントです。そのために、地面反力を得られる姿勢で足を振り出し、地面を蹴るのではなく、踏み込むようにして進んでいきます。短距離選手の走っている姿を見ると、足の裏が地面に接地するとき、ひざと足首の角度は変わりません。つまり、地面を蹴って走っているわけではないんですね。地面を押して、パワーをもらうとすぐ次に足を踏み変えて、進んでいきます。一方で、地面を蹴って走ろうとすると、足が身体の後ろに流れたり、滑ってしまうことがあります。これはぜひ気をつけて欲しいポイントです。
今回のまとめ
いい例で紹介した動きは、ラダーを使うことで効率的に身につけることができます。小学生のころに正しい走り方、身体の使いかたを身につけることが、これから先のよりよい成長につながることは間違いありません。写真や動画を参考に、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。(取材・文 鈴木智之 監修 谷真一郎)