ニュース 2018.05.21. 14:41

【吉川美南ボーイズ】元プロ選手が考えた中学生に必要な練習メニュー

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3学年合わせて51人の子どもたちが在籍する吉川美南ボーイズ。しかし、専用グラウンドは所持しておらず、吉川市近辺のグラウンドを転々としている。この日は「江戸川広域運動公園」を広く使い、練習に励んでいた。

下半身の力をバットに伝えるロングティー

グラウンドを広く使えるときに必ず行う練習がロングティーだ。橋本監督は「スペースがあればロングティーはできるだけ多くやります。回数は特に設定しません。子どもが飽きない程度にね」と言う。

タイミングをゆったりととり、しっかりとトップを作ってから打つ。遠くに飛ばすことで、ネットに向かって打つティーバッティングと違い、打球の飛距離だけではなくボールの回転や角度を確認することができる。



「ポイントとしては『下半身の力を上手くバットに伝えること』。筋力のない子どもだからこそ、上体だけで打っていては遠くに飛ばすことはできません。短い距離のティーと、ロングティーではつく筋肉も違ってきます。体幹を中心にバットを振る力というのが身につきます」。


実戦を想定した守備・走塁練習 

守備では高校野球に進んだ後に苦労しないよう、中学生の時点からランダウンプレーを中心に実戦を想定した守備・走者練習を行っている。

「高校野球だけではなく、プロ野球のキャンプでもランダウンプレーは頻繁に行う練習の一つです。でも、中学生の段階で行うチームは少ないのかな? 試合でこのプレーの途中に崩れてしまうチームが非常に多い。準備と確認が大切な練習だと僕は思います。」



アウトカウントや状況を確認し合いながら、ランナーの動きに常に目をくばる。確実に取れるアウトをしっかり取る意識が試合で活きてくる。大きな声を出し、一球一球に集中して行っている子どもたちの姿が印象的だった。

蹴ることを意識するベースランニング

一つのベースを子どもたちで円になりグルグルと回るベースランニング。膨らみを抑え、左足でベースの角を踏むのではなく、蹴る感覚がポイントだ。

「僕自身足が速い選手ではなかったので、走塁の大切さや難しさを人一倍理解しているつもりです。それに捕手としても隙のない走塁をするチームと対戦するときは本当に嫌でしたから。無駄のないフォームで、一歩でも二歩でも速く走る。体力作りも兼ねて頻繁に行っています」。




プロの世界まで上り詰めた監督とコーチが考えた練習メニュー。その一つひとつの本質を理解しながら、必死に食らいついく吉川美南ボーイズの子どもたち。

その様子を眺めながら、「子どもたちの成長していく姿を見るのは楽しいですね」と橋本監督は目を細めていた。(取材・撮影:児島由亮)



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