ノックのあとは、ベースランニングが行われた。湘南ボーイズ=走塁というイメージも強く、積極的に次の塁を狙ってくる。
「失敗してもいいから、『何かアクションを起こしなさい』と言っています。どんどん、攻めていってほしい。失敗を恐れていては何もできません。何もやらずにただプレーしているのなら、アクションを起こして失敗したほうが次につながっていきます」
今年の高校3年生でいえば、東海大相模の1番ショートを務める小松勇輝が代表格となるが、湘南ボーイズのOBはアグレッシブなプレースタイルの選手が多い。日々の練習のなかで、攻撃的な姿勢が植えつけられている。
練習は、19時過ぎに終了。このあと、2年生は自転車で10分ほどの場所にあるクラブハウスに戻り、ティーバッティングや素振りをして、解散となる。
「次は、1年生の練習を見ますか?」と田代監督。クラブハウス近くの小学校で、1年生が練習をしているという。
学校に着くと、まだ声変わりしていない1年生の甲高い声がグラウンド中に響き渡っていた。ここでも、声と全力疾走を大事にするスタイルは変わらない。1年生のうちから、湘南ボーイズの野球を伝えている。
少しだけ練習を見たあと、今度はクラブハウスへ。坊主頭の3年生が、難しい顔をしながら机に向かい、勉強していた。学習塾を併設しているのが、湘南ボーイズの大きな特徴である(「学習塾を併設する強豪クラブの選手マネジメント術(前編)」参照)。
翌日の金曜日は2年生が勉強で、1年生と3年生が練習となる。学年別に鍛えあげていることが、強さを保ち続けている秘訣といえるだろう。(取材・撮影:大利実)