「投げていた時は、どこか結果ばかり求めていたところがありました。でも、結果を出すために自分がどんな風に取り組んできたのかを考えると、練習では最後のランメニューで抜いてしまうところがありました。
目標は誰でも持っていますけれど、何の目的があって、そんなしんどい練習をやっているのかと考えたら、夏の甲子園で優勝したいから。誰のためにやっているのかと考えたら、自分は創志学園に入って色々な人に支えてもらっているので、そんな人たちに恩返しがしたいからだと思いました。
そう考えながらやっていくとランメニューでも手を抜いてしまうことはなくなると思います」。
「勝ちたい! 勝ちたい!」と思うだけで勝てるほど勝負は甘くない。そこを目指すために、今まで自分は何をしたのかを考えると、愚かな自分しかいなかったことを悔いた。そのため普段の練習から、自分の目標に向かって何をするべきか真剣に考え、取り組む気持ちもまっさらにした。そしてエースとしての自覚も固く持ち、“見られる立場”も意識。エースはチームで最も目立つ存在。だからこそ、前向きな表情でいなくてはならない。
両手に抱えきれない経験を積んだ2018年のマウンドを経て、高校野球ラストイヤーとなる2019年を前に西は大きく変わろうとしている。(取材・写真:沢井史)