熊本西の課題研究は多くの効果と目に見えない力をチームにもたらしている。発案者の横手監督は言う。
「ウチのスタッフは4人いますが、4人が10のことを教えて40になるよりも、70人それぞれに2の力しかなかったとしても、結集すればこちらの40を100も上回ってしまう。そういう力も確認できましたね」
そして、今春から指導スタッフに加わり、今回初めて部員のプレゼンテーションに立ち会った井上肇副部長も、
「グラウンドでは見られない姿や考えに触れることができる。細かいところへの気遣い、発信を通して、野球以外のコミュニケーションにも活かすことができる。ただひとりの生徒が発表する場ではありません。全員が真剣な姿勢で聞いているし、発表する側もどうすれば上手に伝えることができるかを言葉と資料を使って工夫している。非常にわかりやすかった」
と、その効能を実感した。調べる、まとめる、作る、発表する。そして、生きた議論を交わす。決して他人任せにしない野球を繰り広げる熊本西の強さに触れた気がした。この課題研究は秋以降の取り組みとしてもぜひオススメしたい。実際に秋に準優勝し秋の九州でベスト8。甲子園に出場し、春は九州大会ベスト4。そして今夏の熊本大会は堂々の第2シードだ。課題研究の成果を、まだまだ見続けていたい。(取材・写真:加来慶祐)