仁志敏久さんが講師を務めた野球教室から約半年。今まで多くの子どもたちを見てきた仁志さんは、3回の授業で「野球を通じて、子どもたちが自立した大人へ成長する」ために必要なアドバイスを子どもだけではなく、保護者やコーチにも伝えました。その後チームはどう変わったのか…小金原ビクトリーのグラウンドで話を聞いてみました。
じりじりと照りつける日差しのなか、小金原ビクトリーが練習をするグラウンドでは以前にも増して、子どもたちの元気な声が響いていました。変化が見られたのは元気の良さだけではなく、子どもたちが声かけする「言葉」にも違いがありました。
「ランナーいないよ!ピッチャー楽にいこう!」と励ます声かけだけではなく、「外野もう少し前でいいよ!」「キャッチャーもっと大きな声で指示をしよう!」など、周りを見て気づいたことをチームメイトにアドバイスするような、より具体的な声かけが子どもたち主体で行われていました。
声かけについてキャプテンに聞くと、「ボール回しでミスをした子と一緒に、ミスをした原因を考えて『ボールを最後までみよう』『投げる相手に向かってちゃんと声を出そう』とか、アドバイスを言えるようになりました。前に比べて、みんなで指摘し合えることが多くなったと思います」と考えたことを行動につなげて、次のプレーに活かすことが少しずつ習慣化している様子。
そのことについて高橋監督に話を聞くと、「野球教室を受けて子どもたちは『気づく能力』や『考える習慣』が身につき始めたと思います。例えば練習の意図を頻繁に聞いてきたり、守備練習でも気づいたことはすぐに声に出すようになりましたね。また、野球のプレーだけではなく、困っている人を見つけた時『自分がこうすればその人は楽になるのではないか…』という風に考えるようになったと思います。それは声がけにも如実に表れていますね」と野球に関する部分だけでなく、普段の生活にも好影響をもたらしているようです。
またチームを指導するコーチに、子どもたちの変化について聞くと、「今までモジモジしていた子が、一人でも何かしようと積極的に動くようになりました。誰にも言われずにグラウンド整備をする子もいますし、下級生に対して的確な指示を出す子も増えましたね」とポジティブな変化を実感しており、さらに「私は野球経験者なので、どうしても昔の野球の悪い部分が残ってしまっていました。そこを仁志さんが正してくれたと思います。指導者は試合中に一方的な指示をするのではなく、練習を含め試合をする前の段階での準備が大切だと教わりました。厳しく接するのではなく、子どもたちが意見を言いやすい環境を作り、褒めて伸ばす指導を心がけていきたい」と指導者のみなさんにも、仁志さんの言葉が深く伝わっている様子が印象的でした。
子どもたちの変化は保護者の方も「仁志さんの『野球道具はなるべく自分のお金で買おう』という言葉は印象的だった。息子も自分のお小遣いで買うと、道具を長持ちさせようとより大切に使い始めた」「『自分のことは自分でやる』ことの大切さに気づいたのではないか」と言うように、自立への変化を実感していました。
仁志さんの子どもたちへの伝え方に関しても、「小学生にも理解できるようにわかりやすく、『これならできる!』と子ども自身が思えたのが大きかったと思う」とその変化の要因を話してくれました。
練習を終えた小金原ビクトリーには、野球教室に参加していただいた感謝のしるしとして、パウダータイプのポカリスエットと軟式球、さらに全3回の野球教室の様子をまとめたリーフレットをプレゼント。リーフレットに載った自分たちの姿を見て、子どもたちは嬉しそうに笑顔を見せていました。
最後に、高橋監督自身の変化について伺うと、「少年野球や学童野球の世界の中で作られてきた『常識』について、疑うようになりました。何十年続けてきたことに対しても、今の子どもたちに本当に必要なのか、もっと大きな視野を持たなくてはいけないなと思いました。仁志さんから教わったことは野球だけではなく他のスポーツでも必ず役に立つと思うので、サッカーやバスケのチームとも頻繁に交流して、地域を盛り上げつつ、子どもたちの将来が少しでも明るくなるような取り組みをしたい」と子どもたちのために監督が目指すビジョンを教えてくれました。
子どもはもちろん、関わる全ての人に様々な変化を与えた仁志さんの野球教室。3ヵ月が経過した今でも小金原ビクトリーは仁志さんの教えをチーム全体で守り、役立てているように感じました。
変化した子どもたちの「声かけ」
じりじりと照りつける日差しのなか、小金原ビクトリーが練習をするグラウンドでは以前にも増して、子どもたちの元気な声が響いていました。変化が見られたのは元気の良さだけではなく、子どもたちが声かけする「言葉」にも違いがありました。
「ランナーいないよ!ピッチャー楽にいこう!」と励ます声かけだけではなく、「外野もう少し前でいいよ!」「キャッチャーもっと大きな声で指示をしよう!」など、周りを見て気づいたことをチームメイトにアドバイスするような、より具体的な声かけが子どもたち主体で行われていました。
声かけについてキャプテンに聞くと、「ボール回しでミスをした子と一緒に、ミスをした原因を考えて『ボールを最後までみよう』『投げる相手に向かってちゃんと声を出そう』とか、アドバイスを言えるようになりました。前に比べて、みんなで指摘し合えることが多くなったと思います」と考えたことを行動につなげて、次のプレーに活かすことが少しずつ習慣化している様子。
そのことについて高橋監督に話を聞くと、「野球教室を受けて子どもたちは『気づく能力』や『考える習慣』が身につき始めたと思います。例えば練習の意図を頻繁に聞いてきたり、守備練習でも気づいたことはすぐに声に出すようになりましたね。また、野球のプレーだけではなく、困っている人を見つけた時『自分がこうすればその人は楽になるのではないか…』という風に考えるようになったと思います。それは声がけにも如実に表れていますね」と野球に関する部分だけでなく、普段の生活にも好影響をもたらしているようです。
指導者や保護者にも考えに変化
またチームを指導するコーチに、子どもたちの変化について聞くと、「今までモジモジしていた子が、一人でも何かしようと積極的に動くようになりました。誰にも言われずにグラウンド整備をする子もいますし、下級生に対して的確な指示を出す子も増えましたね」とポジティブな変化を実感しており、さらに「私は野球経験者なので、どうしても昔の野球の悪い部分が残ってしまっていました。そこを仁志さんが正してくれたと思います。指導者は試合中に一方的な指示をするのではなく、練習を含め試合をする前の段階での準備が大切だと教わりました。厳しく接するのではなく、子どもたちが意見を言いやすい環境を作り、褒めて伸ばす指導を心がけていきたい」と指導者のみなさんにも、仁志さんの言葉が深く伝わっている様子が印象的でした。
子どもたちの変化は保護者の方も「仁志さんの『野球道具はなるべく自分のお金で買おう』という言葉は印象的だった。息子も自分のお小遣いで買うと、道具を長持ちさせようとより大切に使い始めた」「『自分のことは自分でやる』ことの大切さに気づいたのではないか」と言うように、自立への変化を実感していました。
仁志さんの子どもたちへの伝え方に関しても、「小学生にも理解できるようにわかりやすく、『これならできる!』と子ども自身が思えたのが大きかったと思う」とその変化の要因を話してくれました。
練習を終えた小金原ビクトリーには、野球教室に参加していただいた感謝のしるしとして、パウダータイプのポカリスエットと軟式球、さらに全3回の野球教室の様子をまとめたリーフレットをプレゼント。リーフレットに載った自分たちの姿を見て、子どもたちは嬉しそうに笑顔を見せていました。
最後に、高橋監督自身の変化について伺うと、「少年野球や学童野球の世界の中で作られてきた『常識』について、疑うようになりました。何十年続けてきたことに対しても、今の子どもたちに本当に必要なのか、もっと大きな視野を持たなくてはいけないなと思いました。仁志さんから教わったことは野球だけではなく他のスポーツでも必ず役に立つと思うので、サッカーやバスケのチームとも頻繁に交流して、地域を盛り上げつつ、子どもたちの将来が少しでも明るくなるような取り組みをしたい」と子どもたちのために監督が目指すビジョンを教えてくれました。
子どもはもちろん、関わる全ての人に様々な変化を与えた仁志さんの野球教室。3ヵ月が経過した今でも小金原ビクトリーは仁志さんの教えをチーム全体で守り、役立てているように感じました。
(取材:ヤキュイク編集部)