ニュース 2022.02.14. 12:09

女子コーチが「野球の楽しさ」を教える「大枝公園キッズベースボールスクール」

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1月末に大阪府守口市で「大枝公園キッズベースボールスクール」が始まった。
これは一般財団法人大阪スポーツみどり財団(https://baseballking.jp/yakyuiku/210843)が主催するもの。
当コラムでは2019年11月に同じ主催者による「大枝公園キッズベースボールアカデミー」の活動を紹介した。これは、野球をすでに始めている小学生に対して「投げる」「捕球する」「打つ」などの基本を教えるものだったが、今回の「スクール」は、主に野球を知らない小学生に対して、野球の入り口である「ボール遊び」から入って野球の楽しさを実感し、最終的には野球のゲームが楽しめるようになる段階まで進むというスクールだ。
心身ともに成長期にある子どもたちに野球を通じて、スポーツの楽しさを味わわせることを目的にしている。



昭和の時代まで野球は「ナショナルパスタイム」であり、子どもたちは父親と一緒にテレビのナイター中継を見るうちに自然に野球が好きになり、放課後は近所の空き地や公園で「野球ごっこ」をしたものだ。
その中でさらに野球をやりたい子どもが、スポーツ少年団の野球チームやリトルシニア、ボーイズなどの少年野球チームに進んだ。
少年野球チームに進む段階では、子どもたちは野球のルールを知っているだけでなく、一通り野球の動きも身に着けていたものだ。

しかしプロ野球のナイター中継が地上波からほぼ消え、公園、空き地での野球遊びが禁止されるとともに、子どもたちが野球にふれる機会はなくなった。
野球競技人口が近年、激減している背景には「野球を知らない子ども」が世代の大半を占めるという現実がある。

このスクールでは、遊びの延長戦で野球の「入門編」を、子どもたちに経験してもらい、自然に「野球好き」「スポーツ好き」を作ろうという試みだ。

今回のスクールの特色は、指導するのが「女子コーチ」中心だということだ。大阪体育大学女子硬式野球部の選手たちがコーチとなって子どもたちを指導する。


女子コーチを率いる大阪体育大学女子硬式野球部の横井光治監督は、
「少年野球の指導は、どうしても勝ちにこだわりがちですが、入り口段階ではもっと優しくてもいいんじゃないか、遊びを通じてスポーツを好きになってくれてもいいのでは、と思っていました。野球の知識は幅広いですが、1年生ではこれくらい、3年生ではこれくらいと段階を追って身につけてくれればいいと思っています。
初心者に野球を教えるノウハウは、女子の指導の方に近い部分が多いと思うんです。選手に対する接し方や、説明の仕方など、女子の方が子どもたちを教えるのは上手ではないかと思います」

少年野球では男性の指導者が子どもに命令口調で一方的に始動するシーンがしばしばみられるが、女子コーチは子どもの目線で辛抱強く教えることができる。確かに向いているのかもしれないと思える。

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