高校野球の元監督が「お父さんコーチ」になって思った、少年野球のあんなことやこんなこと。日々、子ども達と向き合い、奮闘されている指導者の皆さんに向けた、神奈川県立川和高校野球部の元監督、伊豆原真人さんのコラムです。今回は、以前に「少年野球お悩み相談」で紹介した「120キロが出せてしまう小学生の今後」ついて、伊豆原さんにも相談にのって頂きました。
「もし自分が少年野球指導者でその選手を受け持ったならどうするか?」という仮定の話になりますが、学童野球は基本的に週末しか活動しないと思いますので、まずはどの選手に対しても平日の過ごし方について話をするところを重点的に考えます。
平日もたくさん練習しろ、というわけではなくて、一週間7日あるうちの5日を占める平日の時間をしっかりと規則正しい生活を送ったり、土日の練習のリカバリーやケア、そして遊びを通じて補助トレーニングなどをすることが大切だと思うからです。
その平日の活動を提案したり指導したりして状況を知っていれば、週末にどの程度の負荷をかけても良いのか、何をどの程度練習すれば良いのかは次第に見えてくるはずです。
もちろん小6で120キロを投げられるということは才能豊かな選手に違いありませんから、他の選手よりも負荷やリスクが大きいため、より多くの試行錯誤は必要になると思います。
しかし、指導者が普段から選手に対して真摯に向き合い、様々なことを学んでいるならば、突出した選手が入ってきたとしても大きく何かを変える必要ないと思います。特別な選手だからではなく、普通の選手に対しての指導とそれほど変わらないと思います。強いて言えば、以下のように「より丁寧に」、といったところでしょうか。
①肩肘の定期検診
チームならば年1回のエコー等での選手全員が検診を受けることが多いかと思いますが、負荷やリスクを踏まえて半年もしくは四半期のペースで検診を受ける。
②投球数の管理
試合における投球数だけではなく、トータルでの負荷を考える。紅白戦・シードバッティングなど、実戦練習での打撃投手やフィールディング・連携プレーも含めて考慮する。
③投げ込みではない方法で練習する
現在では様々なトレーニング方法やツールが開発されており、それらを併用することで、投げることで養ってきた感覚をカバーすることができます。
①〜③は今回の選手だけに該当する話ではなく、多くの成長途中の子どもたちに当てはまることでもあります。
もちろん、ある程度投げなければ身につかない感覚もあるので、投げなさ過ぎも良くありませんが、過負荷になることだけは避けなければなりません。速いボールを投げることができてしまう選手はより注意が必要だと言うことになると思います。
【プロフィール】
伊豆原真人。愛知県立瑞陵高校野球部、信州大学野球部で投手としてプレー。大学院卒業後にシステムエンジニアの道へ進むも、28歳で神奈川県教員へ転職。相模大野高校(相模原中等教育学校)監督を経て、2013年から川和高校の野球部監督に就任。2023年からは他校への異動に伴い高校野球の現場を離れた。担当教科は数学。
X(https://twitter.com/izuharabaseball)
Instagram(https://www.instagram.com/masatoizuhara/)
「もし自分が少年野球指導者でその選手を受け持ったならどうするか?」という仮定の話になりますが、学童野球は基本的に週末しか活動しないと思いますので、まずはどの選手に対しても平日の過ごし方について話をするところを重点的に考えます。
平日もたくさん練習しろ、というわけではなくて、一週間7日あるうちの5日を占める平日の時間をしっかりと規則正しい生活を送ったり、土日の練習のリカバリーやケア、そして遊びを通じて補助トレーニングなどをすることが大切だと思うからです。
その平日の活動を提案したり指導したりして状況を知っていれば、週末にどの程度の負荷をかけても良いのか、何をどの程度練習すれば良いのかは次第に見えてくるはずです。
もちろん小6で120キロを投げられるということは才能豊かな選手に違いありませんから、他の選手よりも負荷やリスクが大きいため、より多くの試行錯誤は必要になると思います。
しかし、指導者が普段から選手に対して真摯に向き合い、様々なことを学んでいるならば、突出した選手が入ってきたとしても大きく何かを変える必要ないと思います。特別な選手だからではなく、普通の選手に対しての指導とそれほど変わらないと思います。強いて言えば、以下のように「より丁寧に」、といったところでしょうか。
①肩肘の定期検診
チームならば年1回のエコー等での選手全員が検診を受けることが多いかと思いますが、負荷やリスクを踏まえて半年もしくは四半期のペースで検診を受ける。
②投球数の管理
試合における投球数だけではなく、トータルでの負荷を考える。紅白戦・シードバッティングなど、実戦練習での打撃投手やフィールディング・連携プレーも含めて考慮する。
③投げ込みではない方法で練習する
現在では様々なトレーニング方法やツールが開発されており、それらを併用することで、投げることで養ってきた感覚をカバーすることができます。
①〜③は今回の選手だけに該当する話ではなく、多くの成長途中の子どもたちに当てはまることでもあります。
もちろん、ある程度投げなければ身につかない感覚もあるので、投げなさ過ぎも良くありませんが、過負荷になることだけは避けなければなりません。速いボールを投げることができてしまう選手はより注意が必要だと言うことになると思います。
【プロフィール】
伊豆原真人。愛知県立瑞陵高校野球部、信州大学野球部で投手としてプレー。大学院卒業後にシステムエンジニアの道へ進むも、28歳で神奈川県教員へ転職。相模大野高校(相模原中等教育学校)監督を経て、2013年から川和高校の野球部監督に就任。2023年からは他校への異動に伴い高校野球の現場を離れた。担当教科は数学。
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