ヤクルト・高津監督 (C)Kyodo News

 多数の故障者を出しながらオープン戦を“セ・リーグ首位”の8勝5敗2分で終えたヤクルト。2年連続5位からの巻き返しを図り、巨人との開幕3連戦に臨んだ。

 結果はご存じの通り、昨季優勝チームに3タテを食らい、開幕から勝利がないセ・リーグで唯一のチームに。1日からホーム神宮で始まる広島との3連戦に向けて立て直しを図りたいところだろう。

 ただ、仔とはそう簡単ではない。オープン戦は好成績だったとはいえ、15試合で17失策と“守乱”を露呈。開幕3連戦は1失策と改善の兆しを見せたが、とにかく投手陣が不安定だ。

 特に今季の高津ヤクルトを大きく左右しかねない試合となったのが28日の開幕戦だった。開幕投手の奥川恭伸が6回無失点の好投を見せると、ヤクルト打線が巨人のエース戸郷翔征を5回に攻略。5回に4点、6回に1点を奪い、主導権を手繰り寄せた。

 奥川からバトンを受けた石山泰稚も7回裏を打者3人でピシャリと抑え、逃げ切り濃厚とみられたが、巨人のどんでん返しはここからだった。

 8回裏にマウンドに上がった3番手・山本大貴は1つもアウトを取れずに2失点。続く9回裏に田口麗斗が巨人打線につかまり、3点を奪われ、試合はついに延長戦に突入した。

 こうなると勢いは完全に巨人のもの。10回表に新守護神のマルティネスが打者3人を簡単に仕留めると、その裏に若林楽人がヤクルト6番手の清水昇からサヨナラ打を放ち試合を決めた。

 この試合で勢いづいた巨人は続く29日の第2戦を12-0で完勝。30日の3連戦最終戦も3-0で勝利した。もし開幕戦でヤクルトが逃げ切っていれば、第2戦以降の流れも違っていただろう。

 巨人との開幕3連戦を終えて分かったことは、今季もヤクルトの投手陣、特に救援陣が大きな課題を抱えていることである。

 昨季は12球団で唯一、20セーブに到達した投手がいなかったように、抑えを固定できなかった。9人がセーブを記録したものの、チームトップが小澤怜史の11セーブという惨状だった。連覇を果たした2021~22年にはマクガフという絶対的なクローザーがいて、23年も田口が33セーブを挙げたが、昨季はその田口が開幕から状態が上がらず、高津監督がブルペンのやりくりに苦労したのは記憶に新しい。

 今季は新外国人のバウマンが守護神として期待されているが、上半身のコンディション不良で戦列を離脱中。バウマンの一日も早い日本デビューが待たれるが、たとえ戻ってきても日本の野球にフィットするかは未知数だ。まだシーズン3試合を終えたばかりだが、神宮の防波堤は早くも決壊寸前の状態といえるかもしれない。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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